「可哀想だと思われても」熊谷真実(64)3回目の結婚で変化した今「最高の人生を最後に手に入れる」
まだ身も心も元気な今のうちに離婚したほうが、これからの人生をやり直せるんじゃないかという気持ちもあったかな。 ── そうだったのですね。 熊谷さん:たとえば、今の夫なら、「もう好きじゃなくなった」という状況になっても、「もう1回頑張ろうよ」と向き合ってくれるだろうなと。結婚後に、「僕は真実ちゃんを一生大事にする。もしもこの先、気持ちがすれ違ったり、壁にぶつかることがあっても、なぜそうなったのかをふたりでとことん話し合って、ふたたび向き合えるように頑張る」というようなことを話してくれたんです。思わずジーンときましたね。
ただ、前の旦那さんには、すごく感謝をしているんです。これは本当。更年期の症状などもあり、悶々としていた時期がようやく明けて、“さあこれから”というときに出会って結婚。18歳年下の彼と9年間一緒に過ごしたことで、新しい感覚を吸収できて、感性が養われました。なにより彼がいなければ、浜松という大好きな街に出会うこともなかった。そういう意味では、本当にありがとうと言いたいですね。
■可哀想だと思われたとしても ── 物事のプラス面に目を向ける生き方は素敵ですね。 熊谷さん:もともと子どもの頃は、すごく大人しい子で、いじめられっ子だったんですよ。でも、中学時代に『少女パレアナ』という本を読んで感銘を受け、考え方がガラリと変わりました。主人公の少女は、どんな状況からも喜びを見出す「喜びのゲーム」で、つらい出来事に遭遇しても「初めての経験ができてラッキー」という感じで、物事を前向きに捉えるんです。それによって、周りも幸せになっていく。そんな彼女に憧れて、「私もこの子になる!」と思ってずっと真似していたら、こんな感じになっちゃいました(笑)。
── “喜びを見出す心”が、今のポジティブな熊谷さんをつくったのですね。 熊谷さん:物事をプラス思考でとらえるには、自分のなかで、いろいろと変換させていかなくちゃいけない。でも、これってある意味“テクニック”なので、意識していればできるようになっていきます。 私は、考え方ひとつで人生はどうにでも変わると思っているんです。他人から“可哀想な人生”と思われたって、自分が楽しければそれでいいじゃないのって。物事を悲観的に見るか、楽観的な方向に転換するか、それは自分で決められますよね。どのスイッチを押して生きていくかは、自分で決めていい。私は、「最高の人生を最後に手に入れる」というスイッチを押して生きているので、やりたいことは全部やる!という気持ちで毎日過ごしています。