松下洸平、木戸大聖、井之脇海、齋藤潤 『9ボーダー』“誠意”ある“四者四様”の男性陣
大庭家のニューフェイス/九吾(齋藤潤)
第6話で突然七苗らの末弟であることが明かされ、衝撃の初登場で大庭家に仲間入り。はじめは心を閉ざし3姉妹と仲良くしようとしなかったものの、徐々に大庭家の空気に馴染んでいく。心を開いてからは、学校に通学して野球をやってみたいと素直に打ち明けることもできた。奥ゆかしく遠慮がちなところがあるが、些細な表情から優しく思慮深い人物であることが感じ取れる。 どのキャラクターも個性は強めだが、心優しく気持ちのいい人たちだ。“嫌な人”が登場しないことも、『9ボーダー』の良さだろう。ミステリアスな背景があったり、自分らしさがはっきり現れていたり、長くそばにいたり、初対面から家族になったりと、3姉妹との関わり方はバラバラだが、この4人に共通するのは「誠意」だ。誰もがお互いにリスペクトを持ち、相手の良さに目を向けて接している。こうした関わり合いが男女間だけでなく、男性同士からも感じられるところがまた素晴らしい。シーンのはしばしから誠実さが伝わってくるところが、本作のキャラクターに夢中になってしまう所以だろう。どの人物も選び難いほど魅力が詰まっているため、最終話までに人生を揺るがす“推し”ができてしまうかもしれない。
Nana Numoto