デジタル化、安全で稼げる林業へ 林野庁森林整備部 安髙志穂・研究指導課長 18日から「FORESTRISE2024(次世代森林産業展)」
国土の7割を森林が占める日本の林業の明日を考える「FORESTRISE2024(次世代森林産業展)」が、18日から東京・有明の東京ビッグサイトで開催される。テクノロジーを駆使した林業振興を目指す林野庁森林整備部研究指導課の安髙志穂課長に、最近の林業の課題を聞いた。 --今、林業で問題意識を持っていることは 「まずは安全性。伐倒などの作業中の事故で亡くなる方が他の産業より多い。働く方々の安全確保は重要課題だ。伐倒以外にも夏場に雑草木を刈る「下刈り」など、林業は人力に頼る部分が多く、生産性も高めたい。丸太の販売収入や補助金を加味しても赤字という状況が続いており、収益性も課題だ」 --具体的な対策は 「デジタル化・機械化を進めている。例えば森林資源量の計測はこれまで、2人一組で専用器具を使って測り、現場で帳面に記録していたが、ドローンで上空から画像解析し樹種、樹高、木の太さを計測する取り組みを進めている。時間にして8割の省力化ができる。また遠隔操作で伐倒、運搬ができる新しい機械も林野庁の支援で開発された」 --機械化以外には 「植えてから伐るまでの伐期を、従来の50年から30年に短縮した成長の良い『エリートツリー』を開発、植栽を進めている。新たな木材の用途開発では、木を糖化発酵させて作る酒などがある。木材の年間消費量8500万立方メートルのうち、国産は3500万立方メートル。半分に押し上げたい」 --展示会への期待は 「喫緊の課題に取り組む現場の方に、まず見てもらいたい。森林関係でない方も『ここに、うちの技術が使えるのではないか』というアイデアがわくかもしれない。異業種連携で林業にイノベーションを起こしていただきたい。(織田淳嗣) ▽開催期間:18日(水)~20日(金)。午前10時から午後5時まで。 ▽場所:東京ビッグサイト(東京都江東区) ▽主催:産経新聞社 ▽後援:林野庁ほか
▽同時開催展:計量計測展、センサエキスポジャパン、油圧・空気圧・水圧国際見本市、地盤技術フォーラム、総合検査機器展(本社主催・特別協力)