消費増税の低所得者対策 「軽減税率」って何?/早稲田塾講師 坂東太郎のよくわかる時事用語
ドーナツ6個以上なら税率ゼロ%?
ドイツではハンバーガーを店内で食べると「ぜいたくな外食」として原則の税率(19%)で持ち帰ると必需品とみなして7%の軽減税率。カナダのドーナツも5個以下は「楽しいおやつをその場で食べる」で原則の5%なのに6個以上だとゼロ。フランスは同じぜいたく品でも国内で作られ消費すれば国民が潤うから「必需だ!」とフォアグラやトリュフが軽減5.5%で輸入中心のキャビアは原則の19.6%です。 「なるほど!」と納得できますか? 文化政策の面もあります。哲学者パスカルのいうように「人間は考える葦である」としたら知識への課税は控えるべきでドイツ、フランス、イギリスは書籍に軽減税率を適用しています。でも「本よりメシだ」「書物のどこが『生活必需』なのか」という反論も絶えません。 ■坂東太郎(ばんどう・たろう) 毎日新聞記者などを経て現在、早稲田塾論文科講師、日本ニュース時事能力検定協会監事、十文字学園女子大学非常勤講師を務める。著書に『マスコミの秘密』『時事問題の裏技』『ニュースの歴史学』など。【早稲田塾公式サイト】