【阪神】佐藤輝明が24日ぶり1軍復帰で躍動 岡田監督から「起爆剤となってくれ」奮起
<日本生命セ・パ交流戦:阪神5-1西武>◇7日◇甲子園 テルが流れを変えた! 阪神佐藤輝明内野手(25)が24日ぶりの1軍戦で躍動し、4連敗&甲子園7連敗&51日ぶりの借金生活突入を阻止した。この日1軍昇格し、「日本生命セ・パ交流戦」の西武戦(甲子園)に「5番三塁」で先発。2回の1打席目に安打を放ち、ヘッドスライディングで先制のホームに滑り込んだ。マルチ安打で打線を15試合ぶりの5得点以上をけん引し、好守も連発した。勝率5割で迎え、岡田彰布監督(66)が「開幕戦」と位置づけた一戦。異例の練習前室内ミーティングから8カードぶりのカード初戦勝利をもぎ取り、指揮官も納得顔だ。 ◇ ◇ ◇ 無我夢中だった。2回、三塁から果敢なヘッドスライディングで先制点をもぎ取った。佐藤輝のユニホームは一瞬で泥だらけになった。「スタートがちょっと遅れたので。なんとかセーフに、というところで、ああいう感じになりました」。1軍復帰戦。執念で甲子園をわかせた。 午前中に鳴尾浜で荷物を回収し、甲子園に向かった。岡田監督に「起爆剤となってくれ」と言われ、身が引き締まった。「やる気満々です」。23日間の2軍生活をへて、心身ともに準備はOKだった。2回の第1打席でチーム初安打となる中前打。木浪の一ゴロで、仲間に勇気を与える本塁生還を見せ期待通りの起爆剤となった。2軍戦から6試合連続で第1打席に安打を出し、岡田監督からも「それだけ集中してるということやろ、1打席目からヒット出るいうことは」とたたえられた。 4度の守備機会も無難にこなした。5月14日の中日戦(豊橋)は自らの失策がきっかけで敗戦。翌15日に2軍降格となると、鳴尾浜で地道なノックを受けるところから再スタートした。「足動かさなあかん打球ばっか飛んでたからやろ。だからちょうど良かったよ、躍動感(があるよう)に見えて、それは」と指揮官。背番号8も「良いプレーが出たのでよかった」とうなずいた。 佐藤輝にとって甲子園の大歓声は「特別」だという。練習中、守備中、そしてベンチでは、あまりあるほどの声援が聞こえてくる。ただ、その音を打席ではあえてシャットアウトする。「打席の中では聞きすぎてもダメ。集中することが一番なので」。この日も歓喜の声は、快音の後に耳に入ってきた。5回には右前打でマルチ安打だ。 試合前には野手が集められ、室内練習場で異例のミーティングが行われた。岡田監督が前夜、「明日から開幕するんやから」と話していた仕切り直しの一戦で連敗を3で止め、再び貯金1とした。8カードぶりに初戦を制し「再出発いう意味では一番、区切り的にもいい日やったんちゃう」と指揮官。佐藤輝が戻り、15試合ぶりの5得点。虎がようやく落ち着きを取り戻しそうだ。【中野椋】 ○…練習前に岡田監督が野手ミーティングを開いた。50分間におよぶ異例の長さ。選手会長の中野は「苦しい中でも貯金0、元に戻った形なので。監督もここからスタートとはおっしゃっていた。もう1回上がるために監督がいろいろ話してくれた」と説明。試合後、岡田監督は「そら、みんなもう分かってるよ。なかなか結果が出ない時もあるんよ、1年間、長いシーズン」と中身について細かい言及はしなかった。 ▽阪神馬場1軍内野守備走塁コーチ(佐藤輝の守備について)「無難にこなしていたよ。きっちりアウトをとってくれればそれでいい」