STATION Aiがグランドオープン 名古屋で老舗企業も巻き込み、ビジネスの化学反応を目指す
名古屋に拠点を持つことで、技術の成長に期待
この企業が契約しているスペースは1カ月あたり、1人につき7万円近くかかりますがーー 「スタートアップには非常に重い金額だが、それでもここに席や部屋を持つという重要性を感じて決断した。外に開いた扉のような『STATION Ai』は外の人たちとどんどん知り合う、ものすごく大きな破壊的イノベーションが起きるのではないかと大変期待している」(戸谷社長) 愛知県の豊橋技術科学大学発のベンチャー企業は、家畜の糞尿や生ごみを使ったバイオマス発電の事業を行っています。 拠点は豊橋ですが、交通の便がいい名古屋にも拠点を持つことでより多くの情報を得ていきたいとしています。 「いろんな人と協力しながら協業していくということで、自分たちの付加価値も上がるし、地域の社会貢献にもつながる」(豊橋バイオマスソリューションズ 熱田洋一社長)
老舗企業も巻き込み、ビジネスの化学反応を
新たなビジネスの創出を目指す、こうしたスタートアップ企業のほかにSTATION Aiに参加しているのは、約200社の”老舗企業”です。 「パートナー企業」としてスタートアップと協業し、新たな技術革新が起きることを狙います。 一宮市が本店の繊維専門商社「モリリン」。360年以上の歴史を持つ“老舗”です。パートナー企業として参加した狙いはーー 「スタートアップ企業といろいろ話してみたが、僕らと考えが違った角度で物を見られるので、新しいことができるんじゃないかと期待している」(モリリン 山田敏博取締役) 名古屋・中区で120年以上前に創業した精肉店「スギモト」の新業態店舗です。 おすすめは、植物性100%のパティを使用した大豆ミートのハンバーガー。パートナー企業として入居する「肉のスギモト」が植物肉という新たな領域にチャレンジです。 「昨今、食肉という産業が供給が少なくなる中で、今後どう対応していくか代替として大豆に焦点を当てて大豆ミートを開発した」(ファーマーズバーガー バイ スギモト 藤坂圭介店長) 実際に食べた人からは「わからない、大豆かどうか。おいいしい」という声が。 STATION Aiでの意見ももとに商品をブラッシュアップしていきたいといいます。 ”モノづくり王国”愛知にこうした拠点が作られた狙い。それは老舗企業も新規参入企業も巻き込んだ、ビジネスの化学反応です。 「この地域でスタートアップを盛り上げていくと、既存の産業との融合を図った時にものすごく大きな効果がある。最新のテクノロジーやプロダクト(製品)に地域の人に触れてほしい」(STATION Ai 佐橋宏隆社長)
一般利用できる施設も
スタートアップを支援する拠点のSTATION Aiですが、入居する飲食店は一般の人も利用することができます。 大豆ミートのハンバーガーの他にも、カフェ、インドカレー、ベトナム料理、なごやめしの店など、様々な料理を楽しむことができます。4日(月)から通常利用ができるということです。 また館内には知的障害のあるアーティストが所属する会社「ヘラルボニー」の作品、約150点が彩りを添えます。 さらに最上階の7階には鶴舞公園が見渡せるルーフトップテラスが設置されています。 そしてホテルもあり、全25室、研修合宿などに利用できる部屋も設けられています。