体長1.5メートルのクマを蹴って撃退…50歳男性が語る緊迫の一部始終「めちゃめちゃ怖かった。完全にやられるかと…」 北海道名寄市
北海道放送(株)
こちらをじっと見つめるクマ。そのまま斜面を駆け上っていきます。このクマと遭遇した男性が緊迫の一部始終を語りました。 愛知県からきた福田正人さん(50) 「奥からがさがさという音。近づいたら2頭急に出てきた 愛知県から観光に来ていた福田正人さんです。 25日午前10時ごろ、名寄市の中心部から10キロほど、天塩川の支流の「比翼の滝」を探して車の外に出たところ、2頭のクマが現れ、1頭が近づいてきました。 愛知県からきた福田正人さん(50) 「(クマが)近づいてきてやられると思った。やられる前にと思って蹴りを入れた。そうしたら1頭は逃げてくれて助かった。 もう1頭はずっとこちらを見ていて、車に乗った瞬間に、もう1頭も逃げていった」 空手の経験がある福田さんは、体長1.5メートルほどのクマをとっさに右足で蹴って撃退。足を少し痛めたものの大きなけがはありませんでした。 愛知県からきた福田正人さん(50) 「けがをせずに済んだのでホッとしている」 名寄市内ではクマの目撃が相次いでいて、19日にも1頭が駆除されたばかりでした。名寄市は、滝につながる林道を当面、立ち入り禁止として注意を呼び掛けています。 現場近くで取材している谷本洋記者が状況を伝えます。 名寄市智恵文の林道の入口に来ています。福田さんは、この先1キロ以上先でクマと遭遇しています。この付近は、畑が一面広がっていて、付近に所々農家があります。林道の奥は山岳地帯になっていて、これより先は人家はありません。 クマと遭遇した、福田さんが状況を話してくれました。一問一答です。 Q遭遇した時はどんな状況? 滝への道があっているのかどうか、不思議に感じたので、外に出た瞬間に、藪の方からガサガサと音がしたので、見てみたら、急にクマが2頭出てきたので、ちょっとびっくりしました。 Q恐ろしかったか? めちゃめちゃ怖かったです。1頭じゃなくて2頭だったので、完全にやられるかなと思った。 Qとっさに逃げる状況ではなかった? たぶん逃げきれないと思ったので、逃げるよりも、闘うという選択肢しかなかった。 若いころ、空手の経験があったので、それが功を奏して、助かった。 Q蹴ってあたったときは、どんな状況? 正直感じたのは、固かったです。逆に攻撃していた自分が、ダメージを食らった感じだったので、これやばいな、やられちゃうなと思ったが、攻撃した側のクマは、すぐ逃げてくれたので、よかったが、もう一頭がずっとこっちを見ているような状況だったので、どういう行動をとるかもわからないので、ちょっと不安だった。 Qクマを目撃した時はどういう注意が必要? 今回は、撃退スプレーがなかったが、必ず、山などに行く際は、撃退スプレーなどを持ったほうがいいと身にしみた。 Q音を鳴らすものは持っていたか? ベルを持っていたが、ベルは効果がないという情報もテレビでみたことがあったので、なるべく人の声が聞こえるような、動画などを流したり、ラジオを流したりする方が効果があると聞いたので、流したかったが、電波が悪くて全く聞けなかった。 Qクマに出会う直前に、においなど兆候はあったか? 2、3メートル先から急に飛び出てきたので、かなりびっくりした。 Q北海道のヒグマの情報は聞いていたか? ヒグマはどこでも出没すると警察からも聞いていたので、気を付けてはいた。ちょっと知識不足で、ツキノワグマもいると勘違いして、今回の2頭も、あまり大きくなかったので、ツキノワグマかなと思ってしまった。 ヒグマの怖さは絶対に知っておいた方がいい。
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