ボーイズリーグ 旭川大雪が8連覇…アシックス旗争奪春季北海道大会で今季初タイトル
◇アシックス旗争奪 第33回春季北海道大会 最終日 ▽決勝 旭川大雪ボーイズ7-3札幌豊平ボーイズ(4月29日、岩見沢栗沢) 旭川大雪ボーイズが7―3で札幌豊平ボーイズに打ち勝ち、今季最初のタイトルをつかんだ。4試合43得点と圧倒的な攻撃力を発揮して8年連続11度目の優勝。3打数2安打の9番打者・柴田悠叶二塁手(3年)が最優秀選手に輝いた。3位決定戦は旭川大雪ボーイズBが15―4で苫小牧ボーイズに5回コールド勝ちした。 *** 3月の春季全国大会で8強に勝ち進んだ自信だろう。旭川大雪は冷静だった。 2回に先発・松木瞭弥(3年)が先制の一発を浴びたが、「焦らなくても取り返せる」と水口叶夢主将(3年)がチームを落ち着かせ、すぐに反撃。3回無死から9番・柴田の投前バント安打でチャンスを生み、1番・水口の左中間三塁打で同点にすると、なおも四球を挟み3番・加藤大知の左越え二塁打で逆転した。 5回には6番・佐藤煌太(3年)の犠飛などで2点、6回にも加藤大の右前適時打などで3点を追加。単打の当たりを好走塁で二塁打にするなど、スキのない攻撃で主導権を渡さなかった。 昨秋も足を武器にしてきたチームは、走塁技術をさらに磨いた。状況に応じたリードの取り方、打球の飛び方を見極めた進塁など“深化”した攻撃で得点力が向上。今大会4盗塁でMVPにも輝いた柴田は「最初の流れは悪かったけど、自分の出塁から打開できた。1、2番につなげ、塁に出ればかき回す役割は果たせた」と胸を張った。 春季全国大会は準々決勝で生駒ボーイズ(奈良)に1点差で惜敗し、その相手は準優勝した。紙一重の争い、悔しさと収穫は成長を促す貴重な財産。西大條敏志監督は「それを自信にし、道内の大会でもうぬぼれずにやろうと話してきた。冷静に戦えたのではないか」と今季最初のタイトルを評価した。 (石井 睦) ◇表彰選手 ▽最優秀選手 柴田悠叶(旭川大雪)▽優秀選手 加藤遙真(旭川大雪)、井上蒼大(札幌豊平)、市川大心(旭川大雪B)、大宮瑛太(苫小牧) 〇…札幌豊平 2回1死で7番・井上蒼大(3年)が左翼に先制ソロを放った。「練習試合も含めて初めて」のサク越えに大喜びだったが、旭川大雪の圧力に屈して逆転負け。黒岩公二監督は「相手は細かいプレーがうまい。さすがです」と話し、井上は「後半の失点とか、自分たちの野球ができていない」と唇をかんだ。 〇…旭川大雪B 2年生軍団が3位決定戦で大勝した。2回と5回に打者12人を送る猛攻。樽井拓磨監督(34)は「ここまで戦えるとは…。3年生との練習が自信になった」と目を細めた。1回戦で顔面に打球が当たり、右ほほが腫れたままプレーした主将の山脇瑛翔は「優勝を目指していたので」と満足していないが「先輩チームに勢いをつけられた」と笑顔だった。 〇…寺西俊一監督(74)が27日の1回戦を最後に勇退した。前身の札幌ロイヤルズを含め通算39年に渡り指導。セレモニーでは花束や記念品が贈られ選手、OB、関係者から労をねぎらわれた。今後は名誉監督としてチームを見守り、田頭(でんどう)広明コーチ(56)が監督を引き継ぐ。
報知新聞社