糸井重里“ピラミッド”を実際に見て「今まで観た“ピラミッドが作られた物語”はウソ」そう感じた理由とは?
TOKYO FMで月曜から木曜の深夜1時に放送の“ラジオの中のBAR”「TOKYO SPEAKEASY」。今回のお客様は、ほぼ日代表の糸井重里さんと俳優の山口智子さん。ここでは、糸井さんが実際に見に行って印象に残っている「ピラミッド」について熱く語りました。
◆糸井重里「ピラミッド」を見て感じたこと
山口:いろいろな世界に旅をされていると思いますが“目に焼きついて離れない景色”だったり、“また、あの情景に浸りに行きたい”と感じた場所ってありますか? 糸井:今まで行ったところは大体好きですが、思い出すと“他にはない場所だな”と思ったのは「ピラミッド」です。 山口:あっ! 私、ピラミッドがいま一番行きたいところです。 糸井:今のうちに行ったほうがいいと思いますよ。 山口:とにかく世界が平和なうちに……。 糸井:そうですね。ピラミッドの前に立ったときに直感で分かったんですよ。生意気な言い方ですけど「今まで観た“ピラミッドが作られた物語”はウソだな」と。というのも、映画とかでピラミッドを作る場面って結構あるじゃないですか。 山口:奴隷制度みたいな? 糸井:そう。おじいさんが倒れて「水……」って言って、助けようとした人が鞭で叩かれて、みたいな。でもあれは映画を作った人の勝手な想像だなと思って。 山口:ハハハ(笑)。それで、どう作ったと思われたのですか? 糸井:それはもう、みんなが平和に設備を整えて力を合わせて作ったんですよ。 山口:人間の力技でできるものなんですか? 超能力とかそういうことじゃなくても? 糸井:できるんです。ピラミッドのそばに大きな宿舎というか、当時の街があるんですよ。そこにみんな寝泊まりして、大人数でできることを最大限にやったのがピラミッドで、そのためには、作業員同士が仲良くなきゃできない。 山口:うんうん。 糸井:組織ってみんなそうなんですけど、けんかばっかりしていたり、いじめられている人がいるような組織では、やっぱり物事が実現していかないんですよ。 大仏なんかは信仰に合わせて“祈り”の気持ちで作られたんですけど、ピラミッドもやっぱりそうで、“どうやって力を合わせて作ったらいいか”という人間のシステムを作ることの大発明があったっていう。 山口:みんなが“つい力を出してしまう”という状況にどう持って行くか、みたいな。 糸井:そう。とはいえ、疲れすぎたら次の日は作業は無理ですから。そういうことも含めて“人同士がどうやって協力し合えるようにするか”っていうのもまた発明なわけで、それが太古の昔からおこなわれていたということですよね。 山口:それを見て体感されたんですね? 糸井:(実際に)見れば、無理に強いられて作れるはずがないことがわかる。 山口:(笑)。努力や根性やつらさだけからできていないってことですね。 糸井:絶対にできないことが見たら分かります。 山口:決めた! 見に行こう! (TOKYO FM「TOKYO SPEAKEASY」放送より)