下り坂を転げ落ちる民主党、アメリカ政治情勢は乱気流へ
11月3日、バージニア州知事選に勝利した共和党のグレン・ヤンキン氏。トランプ前大統領と距離を取ることに成功し、民主党支持層の票も集めた(写真:ブルームバーグ)
バージニア州知事選、ニュージャージー知事選を経て、民主党の不人気ぶりが明らかになった。バイデン大統領の目玉政策である1.2兆ドルのインフラ整備法案も、成立するかどうかを見通せない状況だ。ワシントンを拠点にするベテランジャーナリストであるエリザベス・ドリュー氏は、中間選挙での大敗を予想する。アメリカの政治は不安定さを増すことになりそうだ(原題は The Democrats' Debacle )。 © Project Syndicate 1995–2021民主党が下り坂を転がり落ちている。これを食い止めることができるのはジョー・バイデン大統領と議会の有力者しかいないのだが、何をやっても非常に難しい。客観的な政治・経済状況(特にインフレ)が変わらないまま、共和党が有能な候補者を擁立した場合には、2022年の議会中間選挙で民主党は大敗しそうだ。 その2年後の2024年の大統領選挙も危うい。バージニア州で共和党がようやく勝利を収めた同じ日に、民主党寄りのニュージャージー州で行われた知事選が意外にも接戦だったことは、民主党の苦境を浮き彫りにしている。11月5日(金)の真夜中ごろに下院で可決された1.2兆ドルのインフラ整備の超党派法案が成立するかどうか、成立するとしていつ成立するかは、当面はわからない。
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エリザベス・ドリュー