ブッシュ大統領を訴えたオカン、都へ行く 実話をもとにしたドイツ映画が5月公開
2022年の第72回ベルリン国際映画祭で主演俳優賞と脚本賞の2冠に輝いたドイツ映画「ミセス・クルナス vs. ジョージ・W・ブッシュ」が5月3日に公開決定。予告編がYouTubeで解禁された。 【動画】主人公はジョージ・W・ブッシュを相手に訴訟を起こす母、予告編はこちら 本作は2001年9月11日に起きたアメリカ同時多発テロのひと月後、ドイツに暮らすトルコ移民の男性がイスラム組織タリバンの嫌疑をかけられ、裁判もないまま、米軍のグアンタナモ収容所に5年間も収監された実話を題材にした物語。主人公は警察も行政も動いてくれない中、無実の息子を救うために奔走する母親のラビエ・クルナスだ。彼女は電話帳で見つけた人権派弁護士のアドバイスを受け、アメリカ合衆国大統領ジョージ・W・ブッシュを相手に訴訟を起こす。 監督を務めたのは、「グンダーマン 優しき裏切り者の歌」で知られるアンドレアス・ドレーゼン。ムラート・クルナスが収監中の5年間をつづった著書を読み、この悲惨な事実に憤りを感じて映画化を計画した。あまりにも悲惨な内容に二の足を踏んでいたところ、ムラートの母ラビエに出会い、その天真爛漫なキャラクターに魅せられ、作品の方向性が決定。ラビエと同じトルコ系ドイツ人で国民的コメディアンでもあるメルテム・カプタンを主演に迎え、シリアスなテーマをコメディタッチにつづる軽妙な快作を生み出した。 予告には弁護士のドッケと出会い、アメリカのワシントンD.C.を訪れるラビエの姿が。ポスターには「オカン、都へ行く。」というコピーが添えられた。カプタンはドイツ映画デビュー作にして初主演となった本作で、ベルリン国際映画祭の銀熊賞(主演俳優賞)を受賞した。 ザジフィルムズが配給する「ミセス・クルナス vs. ジョージ・W・ブッシュ」は東京・新宿武蔵野館、シネスイッチ銀座ほか全国で順次ロードショー。 (c)2022 Pandora Film Produktion GmbH, Iskremas Filmproduktion GmbH, Cinéma Defacto, Norddeutscher Rundfunk, Arte France Cinéma