ジャニーズ問題検証番組で蒸し返された「嵐・ハワイ公演メディアツアー」 "VIP接待"の内容
旧ジャニーズ事務所(現SMILE-UP.)の性加害問題が長年表ざたにならなかった原因として、メディア側の“忖度”があったことが指摘されている。テレビ各局はこぞってこれまでの旧ジャニーズ事務所との関係について検証番組を放送してきた。そんな中でTBSは11月26日に検証番組を放送した。 【画像】は、裸?…ひと汗流したあとの『嵐』相葉雅紀「ナマ着替え」姿‼ 内容はTBSが独自に設置した特別調査委員会がTBSテレビ、ラジオの役職員、元役職員ら139人に行ったアンケート調査の結果報告だった。その中では、TBS局内で性被害に遭ったという元Jr.の証言や、スキャンダルで他のメディアから追いかけられていたアイドルグループのメンバーを自社の駐車場に退避させた件などが報告された。 そしてさらに’14年9月20日と21日(日本時間)にハワイで開催した公演『ARASHI BLAST in Hawaii』に関連して、出張という名の“接待旅行”に数人が行ったことを認め、旅費、宿泊費がジャニーズ持ちだったことも明らかになった。この当時のことについて、あるテレビ局関係者はこう証言する。 「全テレビ局、各スポーツ紙がメインの各メディアが招待されたツアーでした。飛行機の席はビジネスクラスで、ホテルは最高級のランク。現地での食事も基本的にはジャニーズ側が支払ったようで、これ以上にない厚待遇でした。拘束されるのは公演中と移動時間でせいぜい4~5時間。それにもかかわらず、全行程は3泊5日もあったので、時間をかなり持て余していたはずです」 当時はこの公演の様子を各スポーツ紙が大々的に報じた。テレビ番組も『嵐 15年目の告白~LIVE & DOCUMENT~』(NHK総合)をはじめ、冠番組の『VS嵐』(フジテレビ系)、『嵐にしやがれ』(日本テレビ系)、『櫻井有吉アブナイ夜会』(TBS系、現『櫻井・有吉THE夜会』)がそれぞれ舞台裏に密着していた。 「『VS嵐』ではコンサートの慰労会だということでメンバー5人だけで買い出しを行い、コテージで過ごす様子が放送されました。また、『アブナイ夜会』では櫻井が宿泊しているホテルの部屋の様子や買い物に密着していた。 現地入りした各番組のスタッフたちは、仕事が忙しくて接待を受けているような余裕はありません。問題だったのは、現地で仕事をするわけでもない上層部の局員なども現地入りし“接待”を受けていたことです」(同前) 当時の記事によると、日本の複数の大手旅行代理店が公演の鑑賞ツアーを組んでファンが大挙して現地入り。現地で消費を重ねたことなどから、嵐がもたらした経済効果は20億円と言われていたという。 「招待ツアーでのメディアの旅費および宿泊費などは、トータルで1人あたり100万円ほどだと言われていた。しかし、旧ジャニーズ事務所にもたらされた経済効果、およびハワイ公演に関するメディア露出との費用対効果からしたら安いものでしょう」(芸能記者) テレビ各局の検証に対して十分ではないという批判が上がっている中で、今回のTBSの検証番組は具体的なケースを挙げている点では踏み込んだ内容だ。だが、それでもまだ不十分だという声は多い。 「このハワイツアーに関して言えば、視聴者はもちろん、局員やほかのメディアが一番知りたいのは、現地でどんな“VIP接待”を受けたのかということ。包み隠さずに明らかにすれば“アウト”な内容も出てきてしまうのかもしれないが、今隠しておくことは局側にとってマイナスしかない。 ハワイに行ったメディア関係者たちは口が堅く、なかなか詳細は分かりません。漏れ伝わってくる話では、公演取材以外の自由時間は、昼にはメディア関係者のためのショッピングツアーの時間が設けられ、そこではいろいろと“便宜”がはかられていたそうです。また、夜になると旧ジャニーズの各テレビ局や各スポーツ紙の担当がそれぞれ分かれて“接待攻勢”を繰り広げていたのだとか。 もし、このような実態があったとすれば、客観的に見て『業務での出張』とは言いづらいでしょう。TBSをはじめ、テレビ各局が検証すべきはそういうところなのではないでしょうか」(同前) 性加害問題からの飛び火で、今になって蒸し返されてしまったハワイでの“接待問題”。当時、現地に渡航しておいしい思いをした各メディアの関係者は肝を冷やしているかもしれない。
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