ボクシーもレガシーもエブリィもベルファイヤも全部違うってば! クルマ好きがムズつく間違えられやすい自動車用語
クルマ好きがムズムズする間違えやすい車名たち
SNSなどを通じて、テレビドラマ内における各種設定のちぐはぐさや用語の間違いなどについて、視聴者からすぐさまツッコミが入る時代になった。SNS上には「#◯◯反省会」みたいなハッシュタグも多いと聞く。 【画像】クルマで数え歌! 1から10まで数えてみたぞ 筆者個人は、些細な間違いやドラマの演出に必要な誇張表現などについて、いちいちツッコミを入れるのは「無粋だな~」と思っているため、そういったハッシュタグを利用することはない。 だが、ツッコむ人の気もちもわからないではない。 なぜならば筆者も、自分の古巣である出版業界を舞台にしたドラマを観ているときに限っては、「その出版用語、絶対にそんなふうには使わないよ!」とか「そのタイミングでそんなことする雑誌編集者、いるわけないじゃん!」などと、ついつい叫んでしまうからだ。 つまり、「人は自分が詳しい分野の間違いや誇張表現などについては気になってしまう」ということである。 そして、クルマに関していうのであれば、「クルマ好きは、非クルマ好きがしばしばいったり書いたりする『間違った自動車用語』に対してモヤモヤしている」ということでもある。いちいち「それ違う!」などと指摘する人はいないだろうが(いません……よね?)、内心では「それ、ちょっと違うんだけどなぁ……」とモヤモヤしているわけだ。 代表的なもののひとつは「バ行とヴァ行問題」であろうか。 クルマ好き各位には今さらご説明するまでもないが、トヨタの売れ筋ミニバンであるヴォクシーは「ヴォクシー」であり、決して「ボクシー」ではない。しかし、非クルマ好きの各位はしばしば「ボクシー」といったり書いたりする。それを見聞きすると、いちいち指摘はしないが、なんだかこうムズムズするのである。 そのほかでは「ヴィヴィオをビビオ」「ヴェルファイアをベルファイヤ」などの問題もあるわけだが、じゃあボルボ(VOLVO)は「ヴォルヴォ」と書くべきかというと、それもまた違うというか、そうすると気取りすぎてる感じになってしまうというのが、この問題の難しいところである。 それ的な書き方をしてもサマになるのは、この世で徳大寺有恒さんぐらいのものだろう、亡くなられてしまったが……。また、世のなかの一部にはベンツ(Benz)のことを、気取ったつもりで「ヴェンツ」と書く人もいたりして、問題をよりいっそう複雑化させている。 バ行とヴァ行問題のほかでは「音引き問題」と「小文字・大文字問題」もあるだろう。 音引きというのは、ご承知のとおり「カートップ」とかの「ー」の部分のことだ。で、スバルのLEGACYというクルマは、普通にカタカナ化すれば「レガシー」になるはずではある。そういえば小池百合子都知事も、東京五輪のときにはレガシーがどうのこうのといっていた記憶がある。 しかし車名としてのLEGACYは「レガシー」ではなく「レガシィ」なのだが、これを「レガシー」といったり書いたりしてしまう人も多いため、こちら(クルマ好き側)としてはムズムズしてしまうのである。そして、そんな小さなことでムズムズしていることがバレると「ちっちぇえヤツだなぁ」と嘲笑されそうな気がするため、よりいっそうムズムズしてしまうという悪循環のメカニズムが成立している。