日本野球は「ジーンズと似ている」 東京のバッティングセンターも体験、米MLB記者が感じた魅力
プレミア12取材後に向かったのは神宮のバッティングセンター
スポーツが国境を越えて人を繋げる。11月に行われた野球の「ラグザス presents 第3回 WBSC プレミア12」では、国際大会ならではの交流がいくつも生まれた。それはグラウンド上に限らない。 【動画】「本当に対戦しているみたい」 米記者が興奮、日本のバッティングセンターを楽しむ様子 東京ドームで意気投合したアメリカの記者と、大会終了後に向かったのは都内のバッティングセンター。野球談議に花を咲かせたひと時を前後編でお届けする。(前後編の後編、取材・文=THE ANSWER編集部・鉾久 真大) ◇ ◇ ◇ 快音とともに「That’s what I’m talking about(これだよこれ)!」と歓喜の声が響き渡った。11月25日、明治神宮外苑のバッティングドーム。買ったばかりの侍ジャパンのユニホームを着てバットを振ったのは、MLB公式サイトのマイケル・クレア記者だ。 昨年3月、ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)東京ラウンドの取材で来日。味わった日本のスナック菓子やコンビニスイーツなどをSNSでユニークに発信し、日本の野球ファンにも知られる存在になった。 約20か月ぶりの東京。連日のプレミア12取材を終え、ようやくゆっくりできる時間がやってきた。帰国前の唯一のオフ日。バッティングセンターを選んだのは、一緒に来日したフォトグラファーのジョー・ナ氏が撮影した映像が使用されているからだ。 同施設ではNPBの現役&OB投手に加え、パドレスのダルビッシュ有投手、レンジャーズのマックス・シャーザー投手(現在はフリーエージェント)の映像が用意されていた。MLB2投手の素材はナ氏が提供したもの。 マシンの投球に合わせて表示されるバーチャル映像を見たナ氏は「僕が撮影した映像だ!」「こんな風に使われているんだね」と歓喜。米国では珍しい形式のようで、クレア記者も「本当に対戦しているみたいだ」と感嘆した。 メジャーを代表する2人の右腕との真剣勝負を終え、次はNPBのコーナーへ。するとクレア記者の目が輝いた。「これは対戦してみないと」。そう言って指差したのは「TOMOYUKI SUGANO」の文字。巨人から来季オリオールズに移籍する菅野智之投手だった。米メディアには1300万ドル(約20億円)の1年契約と報じられている。 いざ対峙してみると、腕から始動する2020年の独特な投球フォームに苦戦。「タイミングが取りづらいね」。NPBで沢村賞2度など幾多のタイトルを獲得した35歳の右腕を前に、MLB公式記者のバットは空を切った。