「ドライバーを虜にする」VTECと回頭性 ホンダ・インテグラ・タイプR(DC5型) 英国版中古車ガイド
レカロシートとモモステでRを主張
車内には、レカロ社のシートとモモ社のレザー巻きステアリングホイールが組まれ、「R」であることを主張。アルミ製のペダルとシフトレバーが、特別感を高めている。 トランスミッションは、6速マニュアル。すべてのタイプRと同様にシフトフィールは正確で、必要以上に変速したくなる気持ち良さ。理想的にギアを繋げば、0-100km/h加速は6.5秒でこなす。最高速度は238km/hがうたわれた。 信頼性も高い。そもそも、インテグラ・タイプRはシリアスな走りを想定されていたから、恐れることなく攻め込んで構わないだろう。 DC5型インテグラ・タイプRの生産数は、1万2247台。日本ではまだ充分に流通しているものの、状態の良い例は徐々に少なくなっている。走行距離が短い例は、高価になりつつもある。興味を抱いたのなら、早めの行動が吉だろう。
新車時代のAUTOCARの評価は
先代ほどの衝撃はないものの、望ましいパッケージングで高速。ホンダのディーラーへ、輸入して欲しいと要望を寄せるべきだ。(1989年7月5日)
専門家の意見を聞いてみる
サイモン・クラーク氏:ミッドランド・ホンダ・サービス社 「DC5型は、DC2型の進化版。先代で改善すべき点が、すべて盛り込まれています。エンジンは僅かに拡大され、サスペンションは磨かれ、走りは最高です。ゴーカートのように、思い切り振り回せますよ」 「セットアップが理想的なら、メカニカルグリップは甚大。信頼性は間違いナシ。素晴らしい投資にもなるでしょうね。ただし並行輸入ということで、英国では部品の入手が簡単ではありません。2006年に生産は終了し、流通量も減っています」 「それでも、アフターマーケットパーツを多くから選べます。EP3型のシビック・タイプRと、共有する部品が多いこともポイントです」
購入時に気をつけたいポイント
■エンジン 既にラインオフから20年前後経過しており、エンジンマウントは劣化していておかしくない。必要に応じて、サードパーティの強化マウントも選べる。 O2センサーの不具合は珍しくない。エンジンの警告灯が光ったら、その可能性がある。センサーを交換すれば治るため、修理は難しくない。 ■トランスミッション 手荒くシフトレバーを操っていると、セレクターのブッシュ類が劣化してしまう。 ■ボディとインテリア レカロシートは、しっかり身体を保持してくれる。サイドボルスターなどが劣化していないか、観察するだけでなく、座って確かめたい。 雨や洗車後に荷室へ水が侵入している場合は、テールライトのシール材が劣化している証拠。腐食へ繋がるため、早めに交換したい。シャシーまわりのサビにも注意。 タイプRの赤いエンブレムは、太陽光で色褪せしやすい。交換部品は入手しやすい。 ■カスタマイズ インテグラ・タイプRは、これまでのオーナーによって改造されていることが一般的。アフターマーケットパーツの品質や、取付状態の善し悪しはしっかり確認したいところ。ホンダ車を得意とするガレージによる作業なら、安心だろう。