２００４年以来２０年ぶりに新しいお札が発行されました。 新紙幣を求めて県内でも朝から多くの人が銀行を訪れました。 【写真】２０年ぶりの新紙幣発行　県内の状況は？

NCC長崎文化放送

宇佐美武史記者： 「（お待たせしましたー）長崎銀行ではけさから早速新紙幣への両替ができます」 日本銀行券は、偽造を防ぐため、約２０年ごとに新しくなっていて、２００４年以来の刷新です。県内でも新紙幣をいち早く手に入れようと午前９時の銀行の開店に合わせ、多くの人が両替に訪れました。 新紙幣を手に入れた人： 「見やすさもいいですね。馴染めるまでちょっと時間がかかるでしょうけど」 「大事にとっておこうかなと」 新紙幣を手に入れた人： 「やっぱり早く見たかったけんね。使うのがもったいない」 また十八親和銀行本店では新紙幣への両替を求めて１００人以上の人が訪れました。こちらの女性は旧紙幣２４万円を新紙幣に両替しました。 新紙幣を手に入れた人： 「なんかドキドキしますね」 十八親和銀行事務ＩＴ部・伊藤亜友莉さん： 「４日から順次、営業店拡大していきますので、あせらずに窓口に来ていただければと思います」 新しい紙幣表面の人物は、１万円札がこれまでの福沢諭吉から、渋沢栄一に。５千円札は、樋口一葉から津田梅子に。千円札は、野口英世から北里柴三郎に、それぞれ変更されました。裏面のデザインも一新され、１万円札は「東京駅・丸の内駅舎」。５千円札は「藤の花」。千円札は葛飾北斎の「富獄三十六景」、神奈川沖浪裏が描かれています。 また偽造防止のため、２つの新技術が使われています。１つ目は、肖像画のすかしの背景に、ひし形の格子模様のすかしが加わった「高精細すき入れ」。２つ目は紙幣の角度を変えると肖像画が立体的に見える「３Ｄホログラム」です。紙幣にこの技術が使われるのは世界で初めてです。その他にも、目の不自由な人が、手の感触で紙幣を判別できるよう、触るとザラザラする「識別マーク」が施されています。紙幣の種類ごとに配置を変えることで、識別しやすくなりました。 新紙幣の発行に伴い、県内企業は精算機や発券機などの更新作業に追われています。県内外でコインパーキングを３５０カ所以上展開する長崎市元船町のアダチ産業は、１年前から精算機で新紙幣が使えるよう改修してきました。 アダチ産業・松藤祐治郎常務： 「大体８割くらいが新紙幣対応の機械に交換が出来たかなというところですね。１年かけてもなかなか終わり切らなかったというのが正直なところですね」 ３日朝、銀行で新千円札に両替をし、改修済みの精算機で問題なく新紙幣が使用できるかを確認しました。 アダチ産業・松藤祐治郎常務： 「大丈夫です。バッチリです。問題なしです。１台当たり紙幣の読み取り機部分であれば１０万円もあれば交換できるんですが、それは１台あたりですから、台数が多ければ多いほど大変。もっと言えば読み取り部分だけを変えればいいという機械ばかりじゃないので古い機械になると古い機械ごと変えないといけない。そうなるともっと値段がかかるという形になります。新紙幣対応をすることによって、売り上げが上がればいいんですが、売り上げはたぶん上がらないので、そうなった時には費用だけが出ていくという形になりますね。ですから、事業者にとっては、この新紙幣対応というのは、非常に負担になっているというのが現状かなと思います」 長崎市岩川町に１年半前にオープンしたラーメン店「晴道軒」は、オープンのタイミングで既に新紙幣対応の発券機を導入していました。 ハレルヤ・内川宏樹代表： 「新紙幣に変わるということは分かってたので、それありきで購入して、中の部品を少し変えるだけで、紙幣は対応できているのでタイミングが良かったかなと思ってます。よその券売機の話とかを聞いてると、部品を変えるのに結構なお金がかかるという話を聞いたりしてたので、ラッキーだったかなと思ってます」 公共交通機関の対応は様々です。 長崎電気軌道の路面電車の運賃箱兼両替機はまだ新紙幣に対応していません。もともと運賃箱を更新するタイミングだった今年秋以降に、全６８車両、前後に１つずつある運賃箱を順次、新紙幣対応型に更新していくとしています。長崎バスでは、グループ会社のさいかい交通のバスを含めた５４６車両全てで新千円札に対応した運賃箱に更新を終えています。また「エヌタスＴカード」へのチャージは、新５千円札と新１万円札も対応しています。県営バスはまだ新紙幣に対応していません。年内をめどに全３０６車両を順次更新していきます。