もっと広いエンターテインメントの中でお笑いをやろう

「お笑い芸人以前に『もっと広いエンターテインメントの中でお笑いをやろう』と考え始めてた矢先に…」（Den）

――Denさんとたいこーさんは、コンビ時代にも『ウケメン』（フジテレビ／不定期：’18年11月～’19年６月、月１回レギュラー：’19年８月～’20年９月終了）に出演するなど順調だったと思います。なぜりなぴっぴさんを入れようと思ったんですか？ Den：新ネタライブは毎回満席になるぐらいの状況ではあったんですけど、コロナの時期に自分を見つめ直して「本当に自分たちらしいスタイルは、『M-１グランプリ』の評価とは別のところにあるかもしれない」と感じ始めたんです。 漫才は大好きだし、それまでずっと漫才と向き合ってきたからこそ、「漫才の枠にとらわれる必要はないんじゃないか」って感覚があって。もともと“地元で面白いやつ”ってタイプだったし、漫才とかM-１を見て芸人になったわけでもないから、どっか無理してる気がしたんですよね。 お笑い芸人以前に「もっと広いエンターテインメントの中でお笑いをやろう」と考え始めてた矢先に、新ネタライブでりなぴっぴと出会った。それから、ラップやったり踊ったり、自由な表現方法を使ってネタを作るようになったんです。 ――りなぴっぴさんは、『ウケメン』が始まった時期って何をしていたんですか？ りなぴっぴ：山形から東京に出てすぐくらいの頃なので、ラーメン屋さんに就職して毎日ラーメンを作ってました。昼から夜の日もあれば深夜の日もあって、帰ったら寝るだけみたいな。湯切って寝て、湯切って寝て、の日々です（笑）。「お笑い」って言葉すら聞かなかったと思います。 ２年前、リンダカラーのライブを観に行ったときはシーシャ屋さんで働いてたんですけど、友人が２人のファンで私を誘ってくれて。失礼かもしれないですけど、当時はお笑い芸人さんにプロとかアマチュアがあることすら知らなくて、本当に楽しそうだと思って衝動的に「入りたい」って言っちゃったんですよね。 たいこー：僕は、ライブ後のネタ合わせで知りました。喫茶店に行ったら、知らない女の子がいて「今日から入る」と言われて。パニックにはなりましたけど、もう入るって言ってるし、一緒にいるし、やるしかないのかなって感じでしたね。基本、Denは事後報告が多いんです。幼馴染みで性格もわかってるし、ゴタゴタ言ったところで時間の無駄じゃないですか。だから、そのまま受け入れた感じですね。 Den：申し訳ない（笑）。すごいでしょ、この懐の深さ。 ■「カリスマンザイ」誕生の経緯、すがちゃん最高No.１さん、ミスター大冒険。（りょうせいさん、井福一本道さん）とDenさんの同居生活などについて語った全文は、有料版【FRIDAYサブスク】でお読みいただけます。 取材・文：鈴木旭 お笑い研究家・フリーランスの編集／ライター。元バンドマン、放送作家くずれ。エンタメ全般が好き。特にお笑い芸人をリスペクトしている。2021年4月に『志村けん論』（朝日新聞出版）を出版。個人サイト「不滅のライティング・ブルース」更新中。http://s-akira.jp/