中日低迷に落合GMの責任はないのか?
中日の谷繁元信監督(45)が成績不振の責任を取らされて途中解任された問題が波紋を広げている。監督人事の決定権を持つのは、白井オーナーだが、落合博満GMと協議を重ねた上での決断だと見られていて、落合GMの責任を問う声が、チームの内外やSNS上で飛び交っているのだ。 谷繁監督は兼任監督だった1年目は4位、昨年は5位、そして今季から監督専任となったが、6日の横浜DeNA戦で最下位に転落すると、8カード連続の負け越しとなり、借金は大きく膨らんだ。コーチとのコミュニケーション不足や、投手起用、交代に目立つミス、戦術面での曖昧さや、若手起用に関する育成能力も含めた谷繁監督の指揮官としての能力、責任を問われた形となった。 だが、コーチ組閣は谷繁監督と共に解任された谷繁監督と佐伯貴弘守備コーチ(46)を除くと、加藤秀司打撃コーチ招聘など、ほとんどを落合GMが揃え、投手起用に関しては、落合GMの監督時代からの“懐刀”だった森ヘッドが切り盛りしている。そして、そもそも、この3年間、戦える戦力を落合GMを中心としたフロントが揃えることができていたのか?の疑問がある。 チームの浮沈を握る外国人に関しても、落合GMとドミニカルートを開拓した森ヘッドが決めていて、新外国人のビシエドが、4月、5月は大活躍したが、相手に研究され始めると失速。ピッチングスタッフを見てみてもブルペン強化を想定していたハイメがキャッチボールもできずに戦力外。ジョーダンは、ローテーションを守っているが、途中獲得したセプティモは1試合先発しただけで、成功とは評価できない。 この3年間のドラフト戦略に関しても、現場の意見は反映されず落合GMが、ほぼ独断で取り仕切ってきた。3年間で育成を除き計21人を指名したが、そのうち19人が社会人、大学、独立リーグ出身の即戦力という偏ったドラフト戦略。そのうち本当に即戦力となったのは、又吉、祖父江、遠藤の3人くらいで、基本指名上位以外の高校生を獲得しないという偏ったドラフトを続けたツケが回ってきている。 また2年前には、西武の炭谷銀仁朗をFAで獲得しようと動いたが、落合GMが力を持っているチーム体質が嫌われ“ポスト谷繁”の穴を埋めることができなかった。今季も、横浜DeNAは、NTT西日本から獲得した新人の戸柱が開幕マスクを奪い結果を残しているが、中日がトヨタ自動車から指名した木下は、開幕からは戦力にならなかった。明らかに編成の失敗が、チーム低迷に直結しているのだが、その編成の中心人物である落合GMの責任を白井オーナーも球団フロントも問わないという不思議な現象が起きている。 一部のファンが「落合GM辞任」を要求する声をあげているのもわからぬでもない。