【松本まりか】40歳になることへの不安はある。だけど、時間を巻き戻したいわけではない
松本まりかは嘘をつかない人だ。うれしいときは大きな笑顔で笑い、悲しいときには涙する。世の中の矛盾にも傍観せずに本気で憤る。そんな純度の高い彼女がこの秋、40歳になった。これからのこと、今の気持ち、そして美容との関係。そのすべてを飾らず、隠さず、VOCEに語ってくれた。 〈画像〉すべてを飾らず、隠さず「松本まりかのインタビューショット」
人間の心の中の白と黒。
優しく、強くあるために自分の弱さも否定しない 「40歳の私に最初に課せられたのは、純度の高い白と、苦しみ、憤り、悲しみの黒の両方といかに上手につき合っていけるか」 純白のトップスに漆黒のチュールスカート。この衣装をまとったときに彼女が口にした“白と黒って人間の心の中みたいだね”という言葉。その真意を尋ねてみると。 「心の中には、白と黒、両方の感情が存在していると思うんです。ポジティブでキレイな白だけで心を満たしていたいけど、それは難しい。苦しみ、憤り、悲しみの黒があるからこそ、白の清らかさがより輝くのです。大人になると傷つかないように分厚い皮で自分を守りたくなりますよね。だけど私は、あえてそれをせずに生きていきたい。いつでも薄皮一枚でいい。だから、傷つくことも、辛いこともある。だけどそのぶん、幸せにも喜びにも敏感になれるし、他人の痛みをより深く理解できるはず。純度の高い白と混沌の黒、その両方と上手につき合える人になること、それが40歳の私に課せられた課題。楽しみですね」 40歳になることへの不安はある。だけど、時間を巻き戻したいわけではないという。 「昔の私は若いだけの世間知らずでした。演じることは好きだけど、仕事はなく自分の存在意義を見出せずに苦しい時間を長く過ごしてきました。だけど年齢を重ねるごとに経験を重ね、挫折もたくさん味わって、今の自分があります。今、私はあの頃夢見た場所にいて、それは若い頃にはできなかったこと。私ね、最近思うんです。体が20代からだんだんと衰えるのは、内面が一生成長できることをより強く実感するためじゃないかって」 インタビューの最後、「この撮影ができて、40歳についてお話しすることができてよかった」ととびきりの笑顔を見せてくれた彼女。 「そりゃ昔に戻れるなら、と思うこともある。だけど戻りたいと思わないくらい、周りの人と笑い合って仕事に打ち込める日々を過ごしていたい。そういう生き方をしていきたい。それを選択するのは自分次第。すべては自分次第で、人生は輝き出すのだと思います」
松本まりかさん
1984年9月12日生まれ、東京都出身。2024年は『ミス・ターゲット』(テレビ朝日系列)と『夫の家庭を壊すまで』(テレビ東京系列)、2クール連続で主演を務めるなどめざましい活躍を続けている。今年9月の誕生日には多くの著名人からの祝福SNSで注目を集めた。 撮影/岩谷優一(vale./人物) ヘアメイク/paku☆chan スタイリング/後藤仁子 モデル/松本まりか 取材・文/中川知春 構成/鬼木朋子 Edited by 鬼木 朋子
VOCE