<春に挑む・’21福大大濠>/上 打撃強化、スローボールバッティング 基本徹底へ反復練習 /福岡
3月19日に開幕する第93回選抜高校野球大会(毎日新聞社、日本高野連主催)への出場が決まった福大大濠。昨秋の九州地区大会は投手陣を中心に堅守で勝ち上がり準優勝、4年ぶり5回目のセンバツ切符をつかんだ。甲子園の大舞台ではどんな戦いを見せるのか。チームの戦力を紹介する。 福岡市西区の福大大濠野球グラウンド。寒空の下、部員たちは山なりに投げられる球をめがけ、ひたすらバットを振る。意図はスローボールで自分の打つポイントを知ることだ。2020年11月の冬練習開始前に八木啓伸監督(43)が部員43人に掲げた課題は「打つ」だった。 同年9月に開幕した九州地区大会県予選の2回戦で浮羽工から26点を奪い五回コールド勝ちするなど全7試合で計82点をとり優勝を果たした。勢いに乗って臨んだ九州地区大会だったが、勝ち進むにつれ持ち味の打線の調子が上がらない。ゲームキャプテンの川上陸斗選手(2年)は「九州大会は投手陣に助けられた」と振り返る。 選手の家族や部員のみが観客席で見守る中、迎えた大崎(長崎)との決勝戦。準決勝までチーム最多15打点の4番・川上選手が一回に左前打を放って以降は打線が振るわず優勝を逃した。「大崎の1年生投手の球は速くなかったが、変化球とストレートを使い分けられ、かわされた」と川上選手。八木監督は「全体的に打者の打つポイントが崩れていた」と気づき、打撃の基礎基本を反復練習し徹底させることにした。 大会後に取り入れたスローボールを打つ練習では、力が分散しないよう脇をしめて打つことも意識させた。最初は窮屈ですごく打ちにくいと感じた選手も「反復していくうちにだんだんと慣れてきた」という。 1月中旬からは実戦練習で攻撃守備に分かれた練習に入った。永井大斗選手(2年)は「実戦は始まったばかりだが以前より球をとらえられるようになっていると思う」と期待を募らせた。指揮官は「全体的に打球は良くなってきている」と手応えを口にした。【大坪菜々美】 〔福岡都市圏版〕