【独自】智弁学園高校など奈良県の私立高校2校が大阪府の”高校授業料無償化”に参加する方針 一方で奈良県のほとんどの私立高校が不参加 「私立の良さを破壊しかねない」との声も
大阪府の授業料無償化制度に奈良県の私立学校2校が参加する方針であることがわかりました。 大阪府は高校の授業料を所得制限なしに年間63万円まで補助する制度を来年度から段階的に始める方針です。この制度に、奈良県の私立高校17校(全日制15校・通信制1校・定時制1校)のうち、智弁学園高校と智弁学園奈良カレッジ高校の2校が参加する方針であることが分かりました。和歌山県にある系列校の智弁和歌山高校はすでに制度参加を決めています。 正式に参加が決まれば、これらの学校に通う大阪府民は来年度の高校3年生から順次、授業料が無償になります。 府は補助上限の63万円を超える授業料は学校側の負担を求める独自の「キャップ制」を導入していますが、2校の授業料はいずれも63万円を下回っているため制度に参加しても、学校負担は生じません。 取材に対し2校の関係者は「すでに智弁和歌山高校が参加する意向である以上、法人としては奈良の2校も対応をそろえないと、保護者への説明がつかない」と話しました。
奈良県内の多くの私立高校が参加せず
一方で奈良県の私立高校(全日制)の授業料平均は約63万6千円で15校中10校が63万円を上回っています。(去年5月時点)制度加入にともない、新たな学校負担が生まれることなどから、奈良県では多くの高校が制度に参加しない方針に至ったとみられます。 不参加を決めた学校関係者は取材に対し「大阪府に実質、授業料の設定を制限されてしまう『キャップ制』は私立の良さを破壊しかねず、賛成できない」とした上で、「このまま多くの学校が参加しないことで大阪府に制度を考え直してほしいが、制度不参加の学校に大阪府民の生徒が集まらなくなってしまう可能性はある」と懸念を示しました。 大阪府は近畿各府県への意向調査を進めていて、すでに和歌山県で私立高校など12校が制度への参加を決めています。