吉岡里帆&太田緑ロランス、幅允孝の選書に感動「なんて素敵なんだろう」『理想的本箱』で本の力を実感
吉岡里帆は「勉強家」「芯の部分が骨太」
――吉岡さんは本を紹介してもらうという視聴者目線の立場ですが、幅さんが選んだ本を事前に読んでから収録に臨むようにしているそうですね。 吉岡:本を教えてもらう側ではありますが、視聴者の皆さんに『この本面白いですよ』と伝える役割があるので、その本に対して好きなポイントを見つけられたら、興味を持ってもらえるきっかけになるかなと思い、自分の中でも何か見つけて撮影に挑むようにしています。私自身もこの番組をとても大事に思っているので、番組がより良くなるために自分にできることはやりたいなと。 太田:里帆さんお忙しいのに、寝ないで読んでくることもあるそうで。勉強家で、真っすぐで誠実な方だなと思います。 幅:パブリックイメージとはまた違って、芯の部分が骨太で、いろんな物事に対して真剣な方だなと。本当に敬服します。吉岡さんもロランスさんも真剣に読み込んでくださるので、選びがいがありますし、下手なものは選べないなと思います。 ――幅さんは選書においてどんなことを意識していますか? 幅:与えられたテーマに対して、なるべくいろんな角度から光を当てられるような本選びを心がけています。あとは、小説作品もあれば、漫画作品もあれば、あるときは自然科学の作品とか、なるべくジャンルが多岐にわたるようなところから選ぶということも考えています。 太田:毎回予想外の選書に唸らされます。だいたい1冊ぐらいは逆説的な視点から選ばれた本があるような気がします。 幅:根がへそ曲がりだからです(笑)。でも、世の中ストレートな答えが多すぎるので、なんでこの問いに対してこの答えなんだろうというのを、その人なりに考えること自体も楽しんでもらえたらいなと思っています。 太田:確かに幅さんの選書では、どうしてこれを選ばれたんだろうと考えることが本の世界を深めるきっかけにもなるなと感じています。読んだ本の内容が自分の中に浸透してくると世界が違ったように見えることがありますよね。そういう、私たちが読書体験から本当に感じたこと考えたことを皆さんとシェアさせていただけたらうれしいです。 幅:本は鏡みたいなもので、読み手によって、そしてその人の今の気持ちによって、入り方が変わってくるので、そこが面白味なのではないかなと思います。選書の世界は正解がないので、全然合わないなという人もいると思いますが、それはそれでまたいいんじゃないかなと。そういう人にはまた後日、5年後ぐらいに読んでもらえたらと思います。 (C)NHK
酒井青子