「虎に翼」男装話題の土居志央梨ってどんな人?「朝ドラ反響は予想外です」…役のため短髪&鉛筆持ち方矯正
女優の土居志央梨(31)が、NHK連続テレビ小説「虎に翼」(月~土曜・前8時)で法律を学ぶ男装の女性・山田よね役を演じ、注目度が急上昇している。20年「おちょやん」以来、2作目の朝ドラ出演。女性の社会進出に信念を持ち、ヒロインと弁護士を目指す役柄を好演中だ。このほどスポーツ報知のインタビューに、出演の反響や細かな役作りを明かした。(奥津 友希乃) 【写真】「虎に翼」で熱演!役作りのため切ったロングヘア こわもてで高潔な役のイメージとは裏腹に、対面すると物腰柔らかで「よねを見て取材を申し込んで下さるなんて」と、くしゃっとした笑顔を浮かべる。声色は想像より数段高い。役柄とのギャップに驚かされる。 昭和初期、日本初の女性弁護士になる猪爪寅子(伊藤沙莉)の物語。個性豊かな登場人物の中でも、土居演じるよねは異彩を放っており、SNSでは「男装がかっこいい」「不器用なよねがいとおしい」「土居さんって本当はどんな人なの?」と“注目の人”だ。土居は「反響は想像以上というか、想像外。正直驚いていますし、うれしいです」と朝ドラ効果を実感している。 男装に短髪、男言葉が特徴のよねは、姉が身売りされるなど壮絶な過去から「女性らしさ」と遠い振る舞いをする。撮影前は肩まであった髪を約30センチ切り、「役でこんなに短いのは初めてで新鮮です。スーツは昭和当時の男性もの。徐々に男装もなじんできました」と、身長168センチのすらりとしたスタイルも相まって板に付いている。 試行錯誤したのは、ぶれのない落ち着いた声色で「撮影前はひたすら“よねの声を探す作業”をした」と地声より低めを意識。勉強熱心な役柄のため、鉛筆の持ち方まで矯正し「私の普段の持ち方だと親指の位置がおかしくて『これじゃかっこ悪すぎる!』と思い、美しい持ち方を練習しました」と細部まで余念がない。 法律学校では居眠りする同級生に「出て行け!」と叱責し、女学生らに「めそめそへらへら全員うっとうしい!」と言い放つ。容赦ないセリフの数々に「台本を読んだ時は『かなり強い人だな』と思いましたし、『何でこの人は怒ってるんだ!?』と視聴者を驚かせちゃうかなと不安でした」。だが物語が進むにつれ、寅子らと友情を育んで成長する姿は感動を呼んでいる。 演じるよねに10、20代の自分を重ねている。土居は3歳から15年間、クラシックバレエに没頭しプロを目指すほどの実力だった。大学進学時に「別の世界を見てみたい」と芝居を始め、舞台や映画、ドラマに出演してきた。 「私にも内に秘めたよねがいる。京都から上京する新幹線でも『全員ぶっ倒す!』って気分でしたし、事務所の人にも『バイトしに東京に来た訳じゃないです!』と言っていた(笑い)。だから自分が何者かに葛藤するよねの気持ちが分かるし、演じていていとおしいです」 朝ドラでのブレイクを経て「ここが分岐点になる予感。改めて周りに感謝して一から役者を頑張りたいです。何事にも挑戦する心を持って、愉快でチャーミングな人間でありたい」。はつらつと語る瞳の奥は、よねに負けない強い意志がみなぎっていた。 ○…主演の伊藤とは、19年短編映画「21世紀の女の子」以来の共演。「また共演したいねと言っていたけど、まさか朝ドラで再会できるとは。沙莉ちゃんはパワーの塊でお芝居の説得力がすごい。沙莉ちゃんが寅子でいてくれるから、よねを演じられる」と刺激を受けている。 ◆土居 志央梨(どい・しおり) ▼生まれ 1992年7月23日、福岡県生まれ。31歳 ▼大学 京都芸術大卒。「OGに黒木華さんがいて、『虎に翼』で寅子の兄・直道役の上川周作は同期です」 ▼初出演 ドラマは11年「水戸黄門 第43部」、映画は13年「彌勒 MIROKU」 ▼特技 バレエ、ピアノ、博多弁、関西弁 ▼趣味 料理「野菜を無心で刻むのが好きで得意料理はキーマカレー」 ▼好きな食べ物 牛タン
報知新聞社