<The追跡>“下請けいじめ”日産が動いた日 自動車各社に波紋 【WBS】
自動車各社に波紋
自動車業界全体にも波紋を広げている今回の問題。日産の内田社長が出席した日本自動車工業会の会見場には、トヨタ自動車を始め、他のメーカーのトップの姿もありました。 「長年染みついた商習慣・関係性でなかなか声が上げられないという問題もあるのではないか?」(大江麻理子キャスター) 「一社一社、丁寧に対応しながら困りごとがないか、実態の確認をしている」(トヨタの佐藤恒治社長) 「どういう取引が行われたかをシステム化して、ねじ曲げることのないようなものを具体的につくっていく」(ホンダの三部敏宏社長) 自工会は部品メーカーに対し、コストの上昇分を全額支払う方針を明らかにしました。その直後、400社以上の部品メーカーでつくる「日本自動車部品工業会」も記者会見を開きました。 「完成車メーカーにはどのような部分を変えてもらいたいか?」(大江キャスター) 「大変答えにくい質問。『売る』『買う』の関係がずっと続いている。なかなか話がしにくかった面は残っている」(日本自動車部品工業会の茅本隆司会長) しかし今、自動車メーカーの態度に変化も見え始めているといいます。 「例えば『サプライヤーミーティング』という言い方はまずしない。全部『パートナーミーティング』という言い方になった。日本の自動車産業が競争力を持つには“パートナー”という意識を持って、お互いに連携して、やっていきたい」(茅本会長)
自動車業界は変われるのか。帝国データバンクが見せてくれたのは、日産だけで全国に1万6000社あるという下請け企業。その取引の関係を示した図です。 日産に直接連なる1次下請けの企業、さらに1次の下に2次下請け、その先にも3次、4次とつらなっていきます。 「(線が)赤色に近ければ近いほど日産に対して売り上げを依存している。(売上に占める)取引のシェアが大きいほど価格交渉力は厳しい」(帝国データバンク情報統括部の飯島大介さん) 業界全体で6万社あるという自動車関連企業。帝国データバンクの調べでは、コスト上昇分を全て転嫁できたと答えたのはわずか4%足らず。全く転嫁できていない企業も12%近くありました。 「ティア1(1次下請け)だけでもこれだけの企業がある。さらにその先に取引があるという構造を把握すること自体が非常に難しい。サプライチェーン全体の価格転嫁を推進するということは実は非常に難しい」(飯島さん) ※ワールドビジネスサテライト