台湾と日本、官学連携でアオザメを研究 国際的な漁業資源の管理への活用に期待
(台北中央社)農業部(農業省)水産試験所は23日、記者会見を開き、同試験所や台日の大学が協力して行ったアオザメに関する研究結果を発表した。遊泳する水深が昼夜で異なることや、体温を素早く周辺の水温より高められることなどが分かった。研究結果は今後、世界での漁業管理への活用が期待されている。 研究には、台湾側から同試験所と高雄科技大学(高雄市)、日本側からは総合研究大学院大学(神奈川県)が参加した。日本学術振興会と海洋委員会海洋保育署から資金面での支援を得た。 同試験所の江偉全副研究員は、アオザメは北は日本、南は赤道までと活動範囲が広いと説明。昼間は垂直移動の範囲がやや広く、水面から水深300メートルまでの所を行き来し、夜間は同100~200メートルの場所で休んでいることが分かったと紹介した。 アオザメはフカヒレの原料でもある。乱獲により個体数が減少し、国際自然保護連合(IUCN)の絶滅危惧種レッドリストで絶滅の危機にある種に分類されている。同試験所によれば、研究結果はアオザメの漁業資源評価モデルに必要な参考データとして、来年1月に開かれる北太平洋マグロ類国際科学委員会(ISC)などに提出される。 (楊淑閔/編集:荘麗玲)