積み重ねて、やっとこのエピソードに…「岸辺露伴は動かない」最新作「密漁海岸」 インサイド
相手の記憶を読むなど特殊な力を持つ漫画家が奇怪な事件に立ち向かうドラマシリーズ「岸辺露伴は動かない」の最新第9話「密漁海岸」が10日午後10時から、NHK総合で放送される。荒木飛呂彦の同名漫画が原作で、主演は高橋一生。令和2年から制作され、昨年は映画にもなった人気シリーズだ。脚本・演出の渡辺一貴は「映画まで積み重ねて、やっとこのエピソードに取り掛かることができた」と話す。 【写真】高橋一生、シリーズ最新作の撮影振り返る「エネルギーが強く伝わってくる久しぶりの現場」 イタリアンレストランを訪れた露伴は、料理で客の体の悪いところを改善する力を持つシェフ、トニオ・トラサルディと出会う。トニオは露伴に、どんな病気も治すという伝説のアワビを手に入れたいと密漁を持ちかける…。 「密漁海岸」は原作でも屈指の人気エピソードで、放送開始当初から「実写化してほしい」という声が相次いでいたという。「でも、原作を知らない人に、いきなり露伴がアワビに力を使ってとか…ちょっとハイブローすぎる」うえに、「(アワビやタコなど)造形や表現が、どれだけできるのか未知数だった」ので敬遠していたと渡辺は振り返る。シリーズの知名度アップや表現技術の向上など「映画まで積み重ねた結果が、今作の手応えにつながっている」というわけだ。 また、このシリーズでは「CGを使わないで、どこまでアナログでやれるか追究している」と高橋。その理由を渡辺は「アナログが好きだから」と笑う。「子供の頃に見た特撮映画などは手作りだった。CGで全部表現することが本当に面白いのか。アナログでやることで出てくる臨場感が一番大切だと思う」とこだわり、「今回のアワビやタコ、レストランの仕掛けは9割がた、その場でやっている」と見どころを語った。(三宅令)