「ゼロゼロ融資」利用後の倒産 11月は42件 2023年累計は前年同期比1.4倍増の587件
2023年11月「ゼロゼロ融資」利用後の倒産状況
2023年11月のゼロゼロ融資(実質無利子・無担保融資)を利用後の倒産は、今年最少の42件(前年同月比5.0%増)だった。ただ、3カ月ぶりに前年同月を上回り、再び増加の兆しを見せている。 2023年1-11月累計は587件(前年同期比46.0%増)で、前年同期の1.4倍増と大幅に増えている。 2023年11月の産業別は、飲食店(5件)を含むサービス業他が最多の13件(前年同月同数)で、全体の3割(構成比30.9%)を占めた。新型コロナが5類に移行し、経済活動が再開しているが、食材費・光熱費の高騰や人手不足による賃金上昇などのコストアップが追い打ちをかけた。 11月の倒産では、民間ゼロゼロ融資の返済開始がピークを迎える7月頃に事業を停止し、倒産したケースもある。事業停止から倒産まで数カ月を要する事例もあり、水面下では倒産を避けられない企業が増えている事態も懸念される。 金融庁は11月27日、「中小・地域金融機関向けの総合的な監督指針」等の一部改正案の概要を公表し、金融機関にコロナ禍からの資金繰り支援フェーズから、事業者の実情に応じた経営改善・事業再生支援フェーズへ転換し、一歩先を見据えた対応の促進を求めている。 だが、金融機関の人的リソースにも限界があり、すべての企業に対応することは難しい。特に、事業規模が小さいほど、金融機関の支援の手は届かず、返済猶予(リスケ)による対応にとどまるケースも少なくない。 売上の拡大で資金需要が活発になっているが、過剰債務の解消が遅れ、資金調達が難しい企業はリスケ(返済猶予)で対応している。今後は、こうした企業を中心に、倒産を押し上げることが危惧される。 ※本調査は、企業倒産(負債1,000万円以上)のうち、「実質無利子・無担保融資(ゼロゼロ融資)」を受けていたことが判明した倒産(法的・私的)を集計、分析した。
2023年11月の「ゼロゼロ融資」利用後倒産は42件、月次としては今年最少
2023年11月のゼロゼロ融資を利用後の倒産は42件(前年同月比5.0%増)だった。最初に倒産が確認された2020年7月以降、10月は初めて前年同月を下回ったが、11月は3カ月ぶりに前年同月を上回った。5月から6カ月連続で50件超の高水準を維持していたが、11月は7カ月ぶりに50件を下回り、今年最少となった。 負債総額は90億3,600万円(前年同月比37.8%増)で、6カ月連続で前年同月を上回った。