気象衛星ひまわり9号で障害 台風予測に影響 14時間後に復旧
気象庁は11日、同日午前4時ごろに「気象衛星ひまわり」9号で障害が発生したと発表した。機器の温度の上昇が原因で、冷却して、約14時間後の午後6時に復旧したが、台風の強さの予測や火山灰の高さの観測などに影響が出た。 【写真】気象予報士・斉田さんの「開かずのファイル」、中には何が? 同庁によると、ひまわり9号に搭載する観測用カメラ「可視赤外放射計」に不具合の可能性が生じた。日中に雲の動きを見る機能や、地上とのデータ通信は正常だが、主に夜間の雲などの動きを把握する赤外線機能が使えない状況が続いた。 気象庁は「データをご利用されている一般の方、業者の方々にご迷惑をおかけした。お詫び申し上げる」としている。 また、11日には29年度に運用開始が予定される「ひまわり」10号の活用に関する、オーストラリア気象局と協力覚書の締結式があった。式に参加した森隆志長官は報道陣から「ひまわり」9号の障害について問われ、「気象衛星はいったん打ち上げたら地上と違って、修理に行くことができない。いざとなれば待機している8号を使うことも視野に入れている」と話した。 「ひまわり」のデータは、独自の気象衛星を持たないオーストラリアでも山火事や集中豪雨の観測に活用されてきたほか、アジア太平洋諸国を中心に30の国や地域で天気予報などに役立てられているという。(力丸祥子)
朝日新聞社