熱中症予防の啓発強化 いわきの高齢者と小中学生対象に リーフレット、ポスター配布 福島県いわき市消防本部
福島県のいわき市消防本部は平年より今夏の気温が高くなることが見込まれるとして、市内の高齢者と小中学生を対象とした熱中症予防の啓発を強化している。市内全ての配食サービス業者と連携し、高齢者向けにリーフレットを配布した。市内の全小中学校には注意喚起のためのポスターを配った。予防策の重要性を周知し、猛暑から命を守る行動につなげてもらう。 市内では昨年、4月から10月までの熱中症での救急搬送人数が367人(前年同期比141人増)となり、2008(平成20)年の調査開始以来、最多となった。このうち約6割にあたる209人が高齢者だったことを受け、高齢者宅を訪れる機会の多い市内の配色サービス業者25事業者と連携し、リーフレット約1300枚を配った。こまめな水分補給や、冷房を積極的に使用する必要性などを訴えている。 昨夏、山形県米沢市で部活動から帰宅途中の女子中学生が熱中症と見られる症状で搬送され、その後亡くなった。これらの事例を踏まえ、市内全ての小学校60校、中学校37校にポスターを配り、あらためて予防策の重要性を周知した。イラストを使い、子どもたちが理解しやすい内容とした。
市消防本部によると、昨年は熱中症患者の搬送などが集中し、市内の救急車13台が全て出動した日もあった。担当者は猛暑時は救急がひっ迫する可能性があるとして、「熱中症の適切な予防を心がけ、安定した救急体制の確保に協力してほしい」と呼びかけている。