体育館ではダメ、災害時の物流拠点は倉庫を活用を 自治体担当者の研修会で専門家がアドバイス 都城
南海トラフ巨大地震などの後方支援体制整備を目指す「宮崎県南部地域大規模災害対策連携推進協議会」は1月30日、都城市で災害物流に関する研修会を開いた。県南部10市町の危機管理部門の職員、物流事業者ら約40人が、支援物資を末端の避難所まで円滑に届けるための物資拠点選定や仕分け手法を学んだ。事務局を務める都城市危機管理課によると、市町村段階で災害物流の研修会実施は珍しいという。 物資拠点に配置される自治体職員に物流知識がないと、事業者との連携不足が生じ避難所への配送が遅れる。研修では、物流技術管理士の資格を持つNX総合研究所の椎名博幸さん(60)が基礎知識を教えた。 椎名さんは物資拠点について、「倉庫が望ましい。体育館など床荷重が小さい建物はフォークリフトを使えず作業効率が悪い」「入り口で物資の中身をまず確認する人員の配置が重要」などと強調。「危機管理担当以外の職員が物流拠点を担当するケースも考え、知識を共有しておくべき」と助言した。
参加者は物資拠点内の物資や機材配置を考える図上演習にも臨んだ。えびの市基地・防災対策課の坂本和彦課長は「市内の物流業者や庁内との連携を拡大する必要性を感じた」と話した。
南日本新聞 | 鹿児島
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