新型メルセデスAMG C 63 S Eパフォーマンスは異次元の4気筒車だった!!! 知的なパワートレインに迫る!!!
メルセデス・ベンツ「Cクラス」のAMGバージョン「C 63 S Eパフォーマンス」が日本に上陸した。新しい時代の、新しいハイパフォーマンスセダンはスゴかった! 【写真を見る】新型メルセデスAMG C 63 S Eパフォーマンスの詳細(18枚)
直列4気筒のハイブリッド
新型メルセデスAMG C 63 S Eパフォーマンスがようやく日本市場向けにも発売された。ドイツ本国での発表は2022年9月だったから、新型を待ち望んでいた人々にとっては、約1年間がずいぶん長く感じられたはずだ。 新型C 63 S EパフォーマンスはメルセデスAMGの代名詞というべきV8エンジンに換えて直列4気筒の2.0リッターガソリンターボを搭載。プラグインハイブリッド・システムを組み合わせるとともに、メルセデスAMGが「P3ハイブリッド」と、呼ぶ新コンセプトの4WDシステムを採用した。その変革は、まさに劇的といっていいだろう。 「直列4気筒のハイブリッドだって? そんなのAMGじゃないでしょ!」と、言いたくなる人の気持ちはよくわかる。でも新型は、“電動化で骨抜きにされたAMG”などでは決してない。のちほど詳しく紹介するとして、ひとまず日本上陸を果たした新型C 63 S Eパフォーマンスで都内を走った印象を報告しよう。 運転席に乗り込み、ダッシュボード上のスタートボタンを押し込んでも従来のような爆音を発することなく、エンジンはすっと滑らかにまわり始める。単に排気系の消音効果を高めただけでなく、セルモーターではなくパワフルなハイブリッド・システムでエンジンを始動することも関係しているはずだ。早速、“爆音大好き派”と“洗練さ重視派”で好みが分かれるだろう。ちなみに私は後者である。 もっとも、V8の大迫力サウンドはなくなっても、新型の4気筒エンジンは抜けがいい快音を、ほどよい音量で聞かせてくれる。したがって、エンジン音を楽しむ魅力がごっそり抜け落ちてしまったわけではない。ただ楽しみ方の“質”が変わっただけで、個人的にはこのほうが知的で現在の風潮にはマッチしていると思う。 乗り心地の洗練度も新型の魅力のひとつ。都内の一般道をゆっくりと走っていても、しなやかな足まわりが路面からのショックを吸収してくれるので、ゴツゴツとした印象は薄い。それでいてフラット感は強く、速度域を問わず快適な乗り心地をもたらしてくれる。