【巨人】坂本温存でも6連勝「ケガされては困る選手」令和の阿部流リスクマネジメント…代役も好守で応えた
◆JERA セ・リーグ 巨人2―1広島(14日・東京ドーム) 巨人・阿部慎之助監督が開幕14試合目で初めて坂本勇人内野手をスタメンから外し、休養を取らせた。 坂本は今季、開幕から三塁のレギュラーとして13試合で打率2割6分5厘、2本塁打、5打点の貴重な働き。しかも打順は不動の「5番」で、4番・岡本和真内野手の後ろを任されてきた。主砲が今季絶好調なのも、勝負強い「5番・坂本」の存在なくしてありえないだろう。 存在感の大きさを誰よりも知る指揮官はその坂本を、あえてベンチスタートさせた。しかも並みの新人監督なら「もっと勝ちたい」と欲が出るであろう連勝中に。 「やっぱりケガされては困る選手なので。しっかり休養を取りながら。その時に若い選手がチャンスだと思うので、そういうところでアピールしてほしいなと思います」 代役の三塁には、プロ初スタメンとなるドラフト4位ルーキー泉口友汰内野手を抜擢させた。泉口はプロ初安打こそお預けとなったが、好機で粘っての四球や、7回の三遊間へのゴロに見事なダイビングキャッチを見せるなど、懸命のプレーで応えた。 そしてベンチの坂本は、殊勲打の萩尾を満面の笑みで出迎え、9回の吉川尚の好守には身を乗り出してバンザイポーズ。プレーはせずとも全身でチームを鼓舞した。 勝ちながら育成するー。フルシーズンを見据え、35歳のベテランのコンディションを整えながら、ルーキーに何よりも貴重な経験を積ませる。一見、ド派手に見える6連勝の影で、阿部監督は最も難しいミッションに挑戦している。
報知新聞社