「取調べを拒否します」Tシャツ、勾留容疑者に脱がせて取り上げる…羽曳野署「危険物だから」
大阪府警羽曳野署が、勾留中の容疑者が着ていた「私は取調べを拒否します」と書かれたTシャツを取り上げていたことが、弁護人などへの取材でわかった。府警は「不適切と判断した」としているが、弁護側は容疑者の権利を侵害しているとして府警に抗議している。
Tシャツは、取り調べの適正化を求める弁護士らの団体が制作し、容疑者に配っている。
弁護人の松本亜土(あど)弁護士によると、容疑者の男(50歳代)は今月11日の取り調べの際、松本弁護士から差し入れられたTシャツを着用したところ、署員から脱ぐよう指示され、取り上げられた。松本弁護士が同署に確認すると、「危険物だから」と説明を受けたという。
松本弁護士は12日、府警に抗議。Tシャツの返還と着用を認めるよう求めた。松本弁護士は「自分たちに都合の悪いものを排除する警察の姿勢は問題だ」と訴えている。
最高裁判例では、逮捕・勾留された容疑者は取り調べを受ける義務がある。また、刑事収容施設法では、留置施設の管理者は、規律や秩序の維持に支障がある場合、衣類などの着用を許可しなくてもよいとの規定がある。
府警は取材に「留置施設の規律や秩序を害する恐れがあると判断した」としている。