父との思い出のトヨタ「コロナ」を40年後に再び入手…10年探した個体は当時憧れた最上級グレードの2000GTでした
2000GTの名は伊達じゃない! 一般人でも入手できた最高速200キロ到達車
トヨタ「コロナ」は、「カローラ」とともに日本国内外で活躍する小型セダンでした。マイカーブームが到来した高度経済成長期には幅広いユーザーに支持され、日産「ブルーバード」との「BC戦争」なるものも繰り広げられました。今回ご紹介する大串弘隆さんの愛車は、5代目の最終型。しかも、あの名車の名前をグレード名として引き継いだ「2000GT」です。 【画像】18R-G型4気筒DOHCエンジンを搭載! スポーティなトヨタ「コロナ 2000GT」を見る(12枚)
10年探してやっと見つけた思い出の5代目
「私が18歳で免許を取得したとき、父親が所有していたのがコロナでした。グレードは1600GLです。初めて運転したクルマがコロナだったので、私にとってはとても懐かしい思い出です」 と話すのは、2024年9月22日に佐賀県鹿島市浜町のJR九州肥前浜駅前で開催された「オールドカーIN肥前浜駅」に参加した大串弘隆さんだ。大串さんは日産初代S30型「フェアレディZ」も所有したことがあったが、家族が増えたこともあり一般的なファミリーカーライフを長く送ってきた。その生活も落ち着いた頃に頭によぎったのは、18歳当時に乗っていた思い出のコロナ。あのクルマにもう1度乗りたいという思いで、車両探しがはじまった。 「入手したのは2023年の終わり頃です。探し始めて10年ぐらいは経っていたと思います。コロナは一般的な小型セダンだったので、大切に残っている車両がなかなか出てこなかった印象です。ずっと探していたときに、ふと某中古車サイトで販売されているのを発見。しかも、それほど遠くない宮崎県のお店にあったので、発見した1週間後に現車確認へ向かいました」
希少な現存車両は、誰とも被らない優越感あり
大串さんが探していたグレードは2000GT。父親の1600GLは同じ直列4気筒でも2T型OHVエンジンだったが、若かりし頃に憧れたのは排気量2000cc、DOHCを採用した18R-G型搭載の2000GTだった。 「当時乗っていたのがマイナーチェンジ後の年式だったのと、できるだけ程度良好な個体という希望もあったので、なかなか見つかりませんでした。そのため、車両を確認してすぐに購入を決めたのです」 足まわりはすでに現在の状態に変更されていたものの、ほぼ純正のままで販売されていたそう。ボディは再塗装済み。エンジンも18R-G型のフルノーマルで、当時純正採用されていたソレックスキャブレターも残されたままだった。年式相応のオイルの漏れやエアコン故障を経験したそうだが、走行不能に陥るようなトラブルは一切無しとのこと。 「某ディーラーで30年にわたって整備士として勤め上げ、今でも現役で働いていますから。お店にお任せするとどうしてもお金がかかってしまいますし(笑)。このような旧い車両を楽しめるのも、パーツさえ手に入ればすべて自分でメンテナンスできるのが強みですね。」 グレードは異なるが、40年ぶりに再会した懐かしのコロナ。プロの整備士として活躍される大串さんとの出会いは、コロナにとっても最良の巡り合いだったに違いない。
酒寄俊幸(SAKAYORI Toshiyuki/gasgraphix)
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