「自公過半数割れ」「岸田前首相再登板」石破茂首相を“妨害”する「非主流派の情報リーク」過熱一途
選挙はフタを開けてみるまでわからない――。 石破茂新首相が10月9日、臨時国会の会期末を迎え、衆院を解散した。選挙は10月15日公示、27日投開票で行う。 【画像】面影が……石破茂・新首相の少年時代がすごい 選挙に臨むにあたり、石破首相は“裏金議員”の処遇を決めた。 裏金問題で党員資格停止となっていた下村博文元文科大臣、西村康稔元経産大臣、高木毅元国会対策委員長のほか、党の役職停止処分が継続していて、政治倫理審査会で説明をおこなっていない萩生田光一元政調会長ら12人を非公認とした。 ◆自らの「裏金問題」にもかかわらず怒る議員 顔ぶれを見て、石破首相による露骨な「旧安倍派潰し」と見る向きも多い。実際そうなのだろう。 「自民党は完全に瓦解しています。旧安倍派の怒りはすさまじく『選挙が終わったら見てろよ』と倒閣運動を起こそうとする者もいます。でも冷静に考えると、旧安倍派に裏金議員が多いのは事実なんですよね。襟を正さず『旧安倍派を潰そうとしている!』と声高に叫ぶ姿には違和感を覚えます」(永田町関係者) 非公認とされた萩生田氏に至っては、周囲に 「絶対に許さない」 と豪語しているのだとか。そんななか、一部メディアやSNSでは「自公過半数割れ」「政権交代も辞さず」「石破政権は短命。次は岸田前首相が再登板」といった情報が散見される。これに政界関係者が耳打ちする。 「アレを流しているのは非主流派、つまり旧安倍派の勢力なんです。メディアでも旧安倍派に理解のあるところが“石破降ろし”に一役買っているんです」 巧妙なのが 「石破は短命。次は岸田前首相が再登板」 と流していることだ。 9月27日に行われた自民党総裁選で石破首相が決選投票で高市早苗氏を破ったのは、岸田グループによるバックアップが大きかった。おかげで総理のイスに座った石破首相は岸田前首相の政策を継承するスタンスを取っている。 「岸田前首相の“国民不人気”は承知の通り。石破首相と岸田前首相の関係性を強調し『“岸破政権”だ』『石破が辞めたらアノ男が戻ってくるぞ、それでいいのか?』とアオっているのです」(同・政界関係者) ただし、取材する限り、岸田前首相が再登板を目指してウォームアップしているという話は聞こえてこない。何より、石破降ろしが起きた場合、対立する旧安倍派の“本命”は高市氏ではないのか。 「高市さんの名前を早々に出すとハレーションが起きると考えているからです。選挙後、しかるべきタイミングで旧安倍派を含む勢力が『あなたしかいない』と担ぎ出すつもりなのでしょう」(全国紙政治担当記者) ◆敵は野党ではなく、自民党内にいる 結局のところ、総裁選で「高市早苗」という御輿を担いだ面々は「まだ負けていない」「何かの間違いだ」という気持ちが消えていないのだ。名前は伏せるが、テレビに出演するタレントやユーチューバー、文化人、大学教授などもそう。共通して 「このままでは日本は滅びる」 と声高に叫んでいる。 「敵は立憲民主党などの野党ではなく、自民党内にいます。誤った情報を流され、辟易している。本来、選挙を前に党員同士で争うのは愚の骨頂。それが平然と起きている時点で、今の自民党がどれだけ異常かがわかります」(石破首相に近い関係者) 選挙の“主役”は国民でなければならない。真偽不明の情報に惑わされることなく、各党各候補の政策を見極め、投票すればいい。前出の全国紙記者の話。 「こちらの情勢調査ですと、自公過半数割れは起きないと見ています。やはり裏金議員の非公認、比例重複を禁じたことは大きかった。旧安倍派は話を逸らそうとしていますが、国民の関心事は裏金問題なんだな、と。要注意は選挙期間中のスキャンダルですね。ここでも非主流派がうごめいているそうですから」 次の総選挙は自民党にとっても天下分け目の“ガチンコバトル”となりそうだ――。
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