65歳から年金を「月12万円」受け取る予定です。貯金「500万円」あっても赤字になってしまいますか? 仮に90歳まで生きるならいくら稼ぐ不安があるでしょうか?
定年退職の時期が近づくと「このまま老後生活を迎えても大丈夫だろうか」と不安を覚える人も多いのではないでしょうか。預貯金や年金額、生活スタイルなどは人それぞれ異なるため「これだけあれば問題ない」といった正解があるわけではないのも事実です。 ▼65歳から70歳まで「月8万円」をアルバイトで稼ぐと、年金はどれだけ増える? 本記事では、貯金500万円ある人が65歳で定年を迎えて年金を毎月12万円受け取るケースを想定し、1人暮らしをしながら90歳まで生きるとしたら生活できるのか、資金が不足する場合はいくら稼がなければならないのか解説します。
老後の1人暮らしは月15万円以上かかる?
老後は年金だけで生活できるのか考えるためには、そもそも老後の生活でいくら支出が発生するのかを把握する必要があります。総務省統計局が公表している家計調査によると、2023年の「65歳以上の単身無職世帯」の消費支出と非消費支出を合わせた実支出は15万7673円です。 老後不安が尽きない一方で、「ぜいたくさえしなければお金はかからない」と考える人もいるかもしれません。確かに、家族と一緒に生活する場合に比べると支出規模は小さくなることが多いものの、それでも最低15万円程度かかることが分かります。 「15万円程度なら大丈夫」と考えていても、大きな病気やけがをして通院や入院が必要になると想定外の支出が発生する可能性もあります。病気やけがだけでなく、日々の生活で欠かせない洗濯機や冷蔵庫といった家電製品が故障すると買い替える必要があります。これらを総合的に考慮すると月20万円以上かかるケースもあるかもしれません。
年金だけだと毎月4万円以上の赤字?
仮に、毎月16万円の支出が発生する場合、月12万円の年金だけだと「4万円の赤字」となってしまうため、500万円ある貯金を取り崩して補填(ほてん)する必要があります。 今後も毎月4万円の赤字が続く場合は年間で48万円取り崩すため、約10年で貯金が底をついてしまう計算です。10年後は75歳のため、90歳まで生きるとしても残り15年の生活費をどうするのか対策しなければなりません。 月20万円の支出が発生し続ける場合は資金が減少するスピードがさらにはやくなります。毎月8万円の赤字となり、約5年で貯金がなくなってしまいます。