「立ち入り禁止」も無視して…羽田空港で繰り広げられたTOBE〝やらかし〟ファンの暴走ぶり
熱烈なファンにとって〝推し〟は愛してやまない存在だ。しかし、一部にはその〝愛〟が止まらなくなって法律を犯したり社会問題にすら発展するような〝やらかし〟をしてしまうケースも多々見られる。昨年10月には『Snow Man』がYouTube動画のロケで訪れた洋食店が特定されて電話回線がパンクして問題となった。本誌も昨年11月にそんな現場の1つを目撃した。 【画像】全員がスマホを掲げて…〝推し〟一目見たさに集結したファンたち その日の午後6時、羽田空港の到着ロビーはまるで海外の要人でも迎えるかのような緊迫した雰囲気に包まれていた。打ち合わせをする耳にイヤモニをつけた警備スタッフ約10人。交わしている言葉は短いが、真剣そのものの表情は予期せぬ事態への対応策が練られていることが伺える。 彼らがこれほどまでにピリピリしているのは、この日、TOBEの滝沢秀明(41)、三宅建(44)、そしてキンプリを離れた『Number_i』の平野紫耀(26)、神宮寺勇太(26)、岸優太(28)が、この2時間後に到着するホノルル便に搭乗していたからだ。 ’23年春に滝沢秀明が設立した『株式会社TOBE』は芸能界に新たな動きをもたらした。旧ジャニーズ事務所の元『V6』の三宅、元『Kis-My-Ft2』の北山宏光(38)、元『King & Prince』の平野、神宮寺、岸が所属し、平野らは『Number_i』としての活動も開始。中でも平野は、ルイ・ヴィトンとのパートナーシップを発表し、ファッション界でも大きな話題を集める。11月にTOBEが始動させたYouTubeライブでの配信番組『とべばん』には所属アーティストが全員集結し、放送中の同時視聴者数30万人を突破した。アーカイブ視聴数は320万回を超えるヒットとなり、X(旧Twitter)のトレンドで世界1位に躍り出ている。 一週間前にTOBEメンバーが羽田から出発したときには、彼らがホノルル行きのフライトに搭乗するという情報はすでにファンの間で広まっていた。その結果、出発ロビーは約30人の熱狂的なファンでごった返し、ちょっとした騒ぎになってしまった。大きな混乱とならなかったのは、メンバーが通常のルートとは異なる特別な入り口を使用したからだとみられている。この一件が今回の緊張感を一層高める結果となったようだ。 話は冒頭のシーンに戻る。この日もファンの女性たちはロビーに散らばり、その数は50人近くに上っていた。あたりには推しのアイドルの帰還を待つファンたちの期待感と、それを制御しようとするスタッフの緊張感が交錯していた。彼女たちは耳元でささやき合い、時折、スマホをチェックしながら、いかにして“推し“の一瞬を捉えるかを計画している様子だった。 午後7時近くになると、空港の雰囲気はさらに変化する。関係者口から出口までの約30mにわたり、高さ2mの真っ白なパーテーションが設置されたのだ。実は、過去に韓流スターが来日したときにも、空港側はこれと似たような対策をとっていた。 「約1年前、韓流アイドル『ENHYPEN』が来日した際の、空港のロビーは大荒れでした。ファンたちが大挙して押し寄せたために、ソファーは占領され、待ち行列があちこちに。中にはコンセントを勝手に使ってヘアアイロンをかける人もいれば、ゴミをその場に捨てる人も。スタッフが何度も注意をしても、なかなか聞く耳を持たないんですよ。 しかたなく、スタッフはパーテーションを設置。『パーテーションを乗り越えたら事件化しますし、警察に通報しますよ。同じ空気を吸って満足して、今日は帰ってください!』と、異例の呼びかけをしました。それでもファンたちは自撮り棒を使って撮影を続けるなど、手がつけられない状況が続いていたんです。空港でのファンの暴走はもう日常茶飯事。空港側も対策を強化しているのですが……」(週刊誌記者) 午後8時、ホノルル便の到着がアナウンスされた。するとロビーに散らばっていたファンたちは、その号令に従うかのように一斉にパーテーションに近づく。そんな警備員とファンとの間で小競り合いが起き始めた。 「パーテーションに飛びかかり倒そうとするファンや、自撮り棒を伸ばして仕切りの上からスマホで撮影しようとしている女性もいました。警備員がすぐさま駆け寄り『やめてください!下がってください!』と怒号が飛び交っていた。それを無視してパーテーションの中に入ろうとするファンもいたくらいです。タイミングが悪ければ、仕切りが倒れTOBEのメンバーに当たっていた可能性もあると思います」(空港にいた一般客) パーテーションの背後で警備員たちは必死に秩序を維持しようとしていたが、彼女たちの熱気と興奮は一時も収まる気配を見せなかったのだ。 そんな混乱の中、TOBEのメンバーはパーテーションをかいくぐって関係者口へと消えたようだ。その気配を察したファンたちはその姿を一目みようと、まるで誰かにスタートの合図を受けたかのように一階の外へと一斉に飛び出す。さらに立ち入り禁止の札を無視して外にある関係者専用駐車場になだれ込む。まるで事前に打ち合わせていたかのような速さだった。 数分後、ファンたちはスマホを手に満足そうに戻ってきた。スマホの画面には、彼女らの愛する“推し”の写真が写っていたのだろうか。プロのカメラマンでも大勢の人にガードされて車に乗り込む人物を撮るのは至難の業だと思うのだが……。 今回、騒動が繰り広げられた空間には当然一般の乗客らもいて、あ然として一連の騒ぎを眺めていた。一部ファンの愛が他の人への迷惑になっている状況を見て、“推し”たちはどう思うのだろうか──。
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