富山市八尾町今町のおわら後世へ 歴史まとめ冊子作製
富山市八尾町中心部でおわらを受け継ぐ今町の「おわら史編纂(へんさん)委員会」は、住民への聞き取りや過去の資料、写真を基に、今町のおわらの歴史をまとめた冊子を作った。今町おわら保存会長の廣川正司委員長(61)は「歴史が風化してしまう前に形に残すことができて良かった」と話す。 今町のおわらの歴史を伝える公式な記録がなかったことから、後世に残すため、おわら保存会や後援会のメンバーで編纂委員会を結成。前今町曳山(ひきやま)保存会長、故廣川徹夫さんが独自に歴史をまとめた私本を基に、年代別に住民への聞き取りを行うなどし、約1年半かけて完成させた。 男女の混合踊りの始まりや、男性用の法被は町の人々が図案や型紙作り、裁断や縫い上げまでを手がけたことなどを紹介。聞き取り調査は20人に行い、昭和期の町並みや、地元の企業や商店に広告料をもらって設置していた「万灯(まんどう)」、踊りの練習や風の盆の3日間の思い出など多彩な話題に触れた。昭和以降の主な出来事をまとめた年表や役員名簿なども掲載した。
A4判130ページで80部を作った。住民や町関係者、作製の協力者らに配る。