「“4LDK+S”の実家がみるみるゴミ屋敷に…」モノを捨てられない母が一人で暮らす実家をついに片付け! どう生まれ変わった?
実際に手を動かしていくうちに状況が変わることもある。作業開始後、「やっぱりモノは捨てたくない」と、依頼自体がキャンセルになってしまうことも珍しくない。一方で、状況が好転することもある。 「片付け前は親子で揉めていたけど、始まるとだんだん住人の様子が変わっていくこともあります。散らかっていた部屋がきれいになっていく様子はやっぱり気持ちがいいはずです。みるみる表情が明るくなり、『もっと片付けたい』と言ってくれるケースも少なくありません」(信定氏)
ただ、ここで身内が「ほな、これも処分せえや」「だったらもっと前から片付けたらよかったやん」などと余計な口を挟んでしまうと、状況は後戻りしてしまう。ここは、第三者である業者に任せてしまうほうが賢いだろう。 ■モノ屋敷の住人は「整理収納の本」を読みがち 現場に入ったスタッフは計6人。二見兄弟で1階の応接間を担当する。1階は母親が普段生活しているスペースなだけに、いるモノといらないモノをひとつずつ聞きながら仕分けしていくことになった。
応接間の壁四面には棚が敷き詰められ、テーブルの上も半分以上が細々としたモノで占められている。これでは、応接間としての機能も果たせていない。 モノ屋敷の特徴として、この部屋のように壁が見えなくなっている点がある。とにかく収納家具が多いのだ。 加えて、100円ショップや大型家具店に売っている収納カゴや衣装ケースもやけに多い。その中には、使うか使わないかわからないけど一応とっておくモノが無造作に詰め込まれていて、それがいくつも積み上がっている。
大抵、カゴの中身を取り出すことはめったにないので、次第に何が入っているのかもわからなくなってくる。カゴにモノを詰め込むだけでは片付けた気になっているだけで、ただ部屋の空間が狭くなっていくだけだ。 「片付けに悩まれている方、片付けが苦手な方に共通しているのが、整理収納関連の本を何冊も買っているということです。でも、片付けの大原則として、まずモノの総量を減らさないことには整理収納はできないんです。収納家具を増やすことよりも初めにするべきことは、とにかくモノの断捨離なんです」(文直氏)