二葉百合子(93)とMAZZELが共演する異色の歌番組…! NHK「うたコン」の作り方
テレビと歌番組は、切っても切れない関係だ。80年代のアイドル全盛期に一役買った『ザ・ベストテン』(TBS)、『夜のヒットスタジオ』(フジテレビ)を始め、90年代に入ると『HEY! HEY! HEY! MUSIC CHAMP』(フジテレビ)や『うたばん』(TBS)といった番組をきっかけに、ミリオンヒットが連発した。かつてのような勢いが見られなくなってきた令和のいま、幅広い世代に支持されているのが、生放送、生演奏、生歌唱を基本としている『うたコン』(NHK)だ。チーフプロデューサーである篠原伸介氏に、『うたコン』の魅力や番組制作におけるこだわりを聞いた。 【画像】10月29日の放送も超豪華なメンツが揃っている ほか (前後編の前編) ***
90代の歌手の歌を、ティーンエイジャーがSNSで賞賛!
いまヒットチャートには、10代や20代のアイドルグループや、若手アーティストのアニメ主題歌などがランクインしている。一方、『うたコン』の視聴者層はシニア世代を中心に幅広い。 「『うたコン』の前身番組は『歌謡コンサート』(1993年~2016年)という演歌や歌謡曲を中心に扱っている歌番組でした。その流れからか、『うたコン』観客の内訳は、50代が30%、60代が30%、続く70代が20%と主にシニア世代が中心です。ただ最近は、若手のボーイズグループや、女性アイドルも出演するようになったので、観覧に応募される人も若い世代が増えてきました。観覧の応募数は毎回10倍を超える倍率になっています」 『うたコン』といえば、ほかの音楽番組とは違い、出演者同士が世代やジャンルを超えて共演するコラボも見ものだ。こうした企画も、視聴者層の厚さゆえだろう。 「『母に贈る歌特集』(‘24年5月14日)では、現在93歳になる二葉百合子さんが『岸壁の母』を歌われました。同じ回にMAZZEL('23年デビューの日本のボーイズグループ)が出演していたのですが、彼らのファンの方が生放送中にSNSなどで“これはすごい”と二葉さんの歌唱の感想を投稿していたのです。もしかしたら番組を観なければ、二葉さんの歌唱を知ることがなかったかもしれない方々ですよね。うたコンは、好きな曲のプレイリストを聴いているだけでは出会えないような楽曲に出会える場でありたいという思いがあります。若いアーティストを好きな方が、うたコンで観た歌手の方に興味を持ってサブスクで聴いてみたりされるのも嬉しいです」