大型カジノIR（統合型リゾート）が建ち並ぶマカオ・コタイ地区の風景（資料）＝2020年7月本紙撮影

　マカオは人口約68万人、面積約32平方キロという小さな街だが、世界遺産やカジノを核とした大型IR（統合型リゾート）に加え、マカオグランプリをはじめとした大規模イベントが数多く開催されるアジア有数の国際観光都市として知られる。 　マカオの年間訪マカオ外客数（インバウンド旅客数）はコロナ直前の2019年には延べ（以下同）3940万6181人（延べ、以下同）に上ったが、2020年は対前年85.0%減の589万6848人に急落。2021年は対前年30.7%増の770万5943人まで回復したものの、2022年は対前年26.0%減の570万0339人と再び下落に転じ、丸3年にわたって低迷が続いた。 　インバウンド旅客数が低迷した主要因として、2020年1月下旬から新型コロナ防疫対策の一環として入境制限を含む厳格な水際措置が講じられたことが挙げられる。ただし、2022年12月初旬に中国が事実上のウィズコロナへ急転換し、マカオも追随。今年（2023年）1月8日には水際措置が大幅緩和され、以降インバウンド旅客数は急回復している。 　今年10月のインバウンド旅客数は前年同月から375.1%増、前月から19.8%増の275万7308人、今年1～10月累計では前年同期比358.8%増の2268万5476人。4月終了時点で昨年通期を超過。また、そこからわずか1ヶ月の5月終了時点で昨年の2倍に達し、さらに6月終了時点で1千万人の大台を突破。2千万人突破までは4ヶ月かからず、回復の勢いが続いていることがうかがえる。 　マカオ政府統計調査局は11月28日、今年10月のホテル宿泊客関連統計を公表。同月の平均ホテル客室稼働率は82.8%で、前年同月から41.1ポイント（pt）上昇、前月からも4.2pt上昇だった。 　ホテル等級別では、5つ星が前年同月から45.4pt上昇の85.6%、4つ星が37.7pt上昇の79.4%、3つ星が32.7pt上昇の77.9%、2つ星ホテルが33.7pt上昇の83.1%、エコノミー宿泊施設が23.4pt上昇の68.6%。なお、5つ星ホテルの供給客室数が24.3%増、4つ星ホテルが28.3%増、3つ星ホテルが23.5%増、2つ星ホテルが18.0%増、エコノミー宿泊施設が30.2%増だった点も考慮する必要がある。 　今年10月末現在、マカオで営業中のホテル数は前年同時期から19軒増の137軒、供給客室数は24.8%増の4.57万室あり、このうち5つ星ホテルが4軒増の37軒で、供給客室数は全体の60.0%を占める2.74万室。 　今年10月のマカオのホテル宿泊客数は前年同月比151.8%増の124.7万人。このうち中国本土からの旅客が131.2%増の90.4万人、香港からの旅客が787.0%増の18.7万人、台湾からの旅客が503.1%増の2.8万人。一方、コロナ禍インバウンド低迷期にステイケーション需要等で稼働率の下支えをした地元マカオ客は34.0%減の4.6万人。前年同月は約700人だった日本人旅客は約6600人に。ホテル宿泊客の平均滞在時間は前年同月から横ばいの1.6日。 　今年1～10月累計の平均客室稼働率は前年同時期から43.0pt上昇の80.9%、ホテル宿泊客数は159.9%増の1104.1万人、平均滞在時間は0.1日短い1.7日。