【世界卓球】歴史が変わる予感がした3時間半超えの大熱戦! 韓国男子、中国を追い詰めるも及ばず
異様な空気に包まれる中、樊振東が見せたさすがのプレー
2001年大阪大会から続いてきた、中国男子の連覇がストップするのか。場内が異様な空気に包まれる中、さすがのプレーを見せたのは世界王者・樊振東。日本戦では16歳の松島輝空に対し、受け身に回って苦戦を強いられたが、4番の張禹珍戦は自信に満ちていた。王楚欽が手を焼いた張禹珍の高速バックカウンターを、鮮やかにクロスに打ち返す好プレーを連発する。 バック対バックから大きく空いた張禹珍のフォアサイドへのストレート攻撃も効果的に使い、王楚欽がなかなか踏み込めなかったストップ対ストップの展開では、深く切ったツッツキから打たせる冷静さ。9-9の接戦となった3ゲーム目、12-10で勝利した樊振東が笑顔でガッツポーズ。これが世界王者だ。
ラスト中国・王楚欽、パワープレーで林鐘勲を圧倒
ついに勝負の行方はラスト、王楚欽対林鐘勲。試合前、会場を訪れた金擇洙の姿がビジョンに映し出される。2001年の準決勝、中国戦ラストで7回のマッチポイントを握りながら惜敗したレジェンド。その果たせなかった夢は林鐘勲の左腕に託された。 直近の昨年10月、WTTチャンピオンズ・フランクフルトでは王楚欽が3-0、しかし22年10月のアジアカップでは4-3で林鐘勲が勝っているこのふたりの対戦。1ゲーム目、落ち着きを取り戻した王楚欽は強烈なチキータ、フォアのカウンターを連発して6-0、10-2、11-5と林鐘勲を圧倒。2ゲーム目も3-6のビハインドから6点連取で9-6と逆転し、11-7で奪う。
林鐘勲も必死の頑張り。3ゲーム目、王楚欽3-2のリードで後陣から林鐘勲がバックドライブで反撃し、バックカットも交えて応戦したラリーは、今大会ナンバーワンのラリーと言っていいだろう。しかし、王楚欽はバックハンドの技術力の差、フォアハンドの打球点の差を生かしたパワープレーで、3ゲーム目も11-6。胸の五星紅旗を誇らしげにつかんで見せた王楚欽。3時間半超えの大熱戦が終わった。 韓国、よく頑張った。素晴らしいプレーを見せた。しかし、中国の壁は大きく揺らぎながらも、倒れることはなかった。