28年の営業に終止符へ、幸太郎本舗TSUTAYA宇部店、ネット配信の普及で客離れ【宇部】
宇部市島3丁目の幸太郎本舗TSUTAYA宇部店(福澤好恵店長)が、5月末をもって閉店する。書籍販売を中心に音楽や映像ソフトのレンタルも行うメディア複合店舗として地元住民に親しまれてきたが、書籍離れ、インターネット配信の普及などを要因に、28年間にわたる営業にピリオドを打つ。 同店は山口産業(福重晋作社長、琴芝町1丁目)の教育文化事業の一翼を担う店舗として、1996年11月にオープン。2006年にはTSUTAYAにフランチャイズ加盟した。 開店当初から毎月、絵本の読み聞かせイベントを開催。18年には児童図書コーナーを大幅リニューアルし「えほんのえき」を設けるなど、地域の本屋として、子どもたちにたくさんの感動と笑顔を届けてきた。 同店の従業員で、勤続10年目という福嶋智子さん(35)は、もともと中学生の頃から参考書などを買いに来ていたヘビーユーザー。働き始めてからも、2児の母として子どもの絵本を購入するなどしてきた。 閉店の話を聞いた時は寂しさしかなかったが、常連客から「今までありがとう」「最後まで頑張って」などと温かい声を掛けてもらい、今は感謝の気持ちでいっぱいだという。 「本は心の栄養と言われるように、絵本を通じて幼少期に心の豊かさを育てるのは大事なこと。閉店まで書籍の良さをしっかりと伝えたい。お客さんとの距離感が近いのもこの店の良さなので、最後まで感謝の気持ちを伝えながら、お店に立ちたい」と話した。 同店が窓口になっていた教科書販売については、山口産業内に事業部として残し、場所を変えて実施することになるという。