温泉宿100室300人に拡大 武隈黒部市長会見 被災者受け入れ
●宇奈月滞在後、市営住宅に入居 黒部市は能登半島地震の被災者支援で、2次避難先として確保する宇奈月温泉の旅館・ホテルなどの滞在枠を100室、300人弱程度に拡大する。当初、10室50人程度を想定していたが、宇奈月温泉旅館協同組合などとの調整で協力を申し出る宿泊施設が増えた。温泉宿での一時滞在、家財道具付き市営住宅への入居をセットで無償提供し、石川県の被災者を中心にスムーズな広域避難を促す。 武隈義一市長が19日の会見で明らかにした。富山県最大の温泉地を有する黒部市の環境を生かした支援策「被災者広域一時滞在パッケージ」として11日に概要を発表していた。 旅館・ホテルなどの宿泊施設に1週間から10日間ほど過ごしてもらった後、市側で家財道具をそろえた市営住宅に移ってもらう。市営住宅は50戸用意し、1戸当たり最大5人計250人程度を受け入れる。同郷同士で近くに住めるよう配慮する。 市の取り組みとは別に、石川の民間団体が窓口となって宇奈月のホテルには輪島市、七尾市からの避難者2組4人が滞在しており、市はこのパッケージ支援策の利用を案内する。 武隈市長は地震を受けた今後の防災対策について、自治振興会などからの意見聴取、アンケートで課題を整理するとし、避難場所となる施設に電子錠を導入した上で遠隔操作したり、一定震度で自動解錠したりするシステム導入を検討する姿勢を示した。 ●「津波避難ビル必要」 沿岸部の地域で優先的に検討し、現状、高い建物がない地域では津波避難ビルのような施設が必要との認識も示した。 発災当日の夕方、自身が防災無線で国道8号バイパスより山側に避難するよう呼び掛けたと紹介した。