小規模校の安曇小中学校 放課後の居場所づくりに保護者奮闘
長野県松本市の安曇小中学校の保護者らが、子供たちの放課後の居場所づくりに取り組んでいる。小規模校のため児童館などがなく、子供が安全で楽しく過ごせる場所が不足していた上、一昨年に市内広域から通学できる「小規模特認校」となり需要が増加。地元では難しい習い事の選択肢も兼ね、週1回の無料プログラミング教室「寺子屋AZUMI」を開いて子供たちを喜ばせている。 教室は子供たちに開放されている学校近くの市安曇育成館で5月にスタート。保護者のつながりのある横浜市のプログラミング教室の協力で、オンラインの指導を受ける。小中学生が一緒に学べるよさがあり、6日は7人が熱中していた。 従来、育成館は見守りのスタッフがいるだけで特段の活動はなく、利用者が少なかったという。学区外から通う子供が同館で長時間過ごせず居場所に困った保護者の声をきっかけに、昨年度、有志による「安曇小中学校放課後の居場所検討会」が発足。工作教室など試行錯誤しながら市にも相談し、「学都松本寺子屋事業」に位置づけてプログラミング教室が実現した。 以前から育成館を利用していた3年生の髙田飛躍君(8)は「プログラミングを教えてもらえるようになって前より楽しい。皆が集まってにぎやかなのもいい」と話していた。 検討会の百瀬裕美代表(49)は「子供たちがとても楽しみにしてくれるので、やってよかった」と目を細める。一方で、仕事を持ちながら特定の保護者だけで運営する難しさを挙げ「プログラミング教室を足がかりに、行政との協働や地域の協力を得られる方法を探っていきたい」と願っている。
市民タイムス