たけし、岸田首相の「応援割」へ「復興作業が最優先」異議唱え賛同続々…現地が抱く“かわいそう旅”への懸念
8月11日、タレントのビートたけしが『ビートたけしのTVタックル』(テレビ朝日系)に出演し、岸田文雄首相が7月1日、被災地である石川県内を視察後に打ち出した「復興応援割」に疑問を呈した。 【写真あり】高級車「マイバッハ」から降りてくる北野を目撃 「復興応援割」とは、石川県・能登半島地域への旅行費用の7割を補助するもの。すでに、石川県などでは「北陸応援割」を実施していたが、それよりも補助率の高い支援策を実施するという方針だ。 同番組では、2024年1月1日に震度7の大地震に見舞われた、能登半島地域の現状を特集。とくに奥能登地域では、復興応援割を使える段階に至っていないことなどを伝えた。 たけしは「基本的には、復興を手助けする人たちが泊まって、作業ができることが最優先なんですよ」と強調。 そして、「それ(復興)が終わらない限り、ホテルの宿泊なんかに7割負担しようが、そんなことはどうでもいい。その前にそのカネを全部注ぎ込んで、まず復興支援する人の作業をしやすい状況を早く作らなきゃ無理なのに、なんでそれ(復興)ができた後のことみたいにやるかな」と、岸田首相の方針に強く異を唱えた。 このたけしの発言に対して、X上には多くの賛同が集まっている。 《みんなが思っている事を言葉に出していただきありがとうございます もう7カ月も経ったのにホント復興が進んでいませんよね》 《さすが殿。岸田政権の復興割は、もはやギャグやろってレベルで呆れた。復興していないのに、その後の支援するって…もう馬鹿にしてるとしか…》 《賛成です。もっと輪島を取り上げてほしい!ホテルも悲惨な状態です》 石川県内では、岸田首相が「復興応援割」を打ち出した7月1日時点で、2000人超の避難者がいた。避難所は現在も開設されており、NHKが報じたところでは、8月1日時点で600人あまりが1次避難所に身を寄せている。 被災した建物の多くも解体などがされず、残されたままだ。 本誌は「復興応援割」が打ち出された翌日の7月2日、被災地である「輪島朝市組合」の担当者に電話で話を聞いていた。 地震によって大規模な火災が発生し、甚大な被害が出た輪島市の「朝市通り」。約240棟の建物が全焼し、復興へはまだまだ時間がかかる。 担当者は「『復興応援割』は、いまではない」と次のように話していた。 「輪島朝市も、まずは売るものが必要ですが、それは何かというと漁港で獲れた魚です。だから、まずは港が直らないといけない。 そして、宿泊施設の整備があってこその輪島朝市だと思っています。もちろん、朝市もいままでにないようなものとして、再興したいと思いますけど、周囲の環境が整わないうちに、観光客の方だけ来られても、難しいですよね。 そうなると結局、金沢から往復で来るしかなく、金沢は儲かるかもしれませんが……」 「復興応援割」では、現在も被災復興を目指している地域のプラスにはならない、というのが地元の認識のようだった。 さらに、観光客の対応ができるかも厳しい見通しだということだった。 「能登に観光客に来ていただいても『(復興が進んでなくて)かわいそうね』と言われて、終わってしまう旅になりそうです。まず、朝市としては、港の整備を急いでもらわないと。 そういったことが整った後で、観光客にきていただきたいです。だから、『復興応援割』は、いまではないと思いますね」 と、前出の担当者は話し、観光需要が高まることによる“かわいそう旅”への懸念を抱いていたのだ。 このままでは、首相がたけしに「バカ野郎!」と言われかねない。