阿波おどり、運営で混迷続く 民間委託に漂う不透明感
徳島市の夏の風物詩、阿波おどりの運営で混迷が続いている。前市長がつくった実行委員会の主催による昨年は台風接近の中で「強行」、新設したインバウンド(訪日客)向け1人20万円の高級席は違法状態だった。市政転換を掲げ4月に返り咲いた現市長は、実行委方式を見直して民間委託したい考え。ただ、引き受け手がいない懸念もあり、不透明感が漂う。 阿波おどりは100万人規模を集める徳島随一のイベント。例年、開催期間は8月12~15日で、11日に前夜祭がある。集客増を目指す今年は前夜祭の位置付けを改め、11日を開幕日とする。 だが、近年は踊り以外の話題が目立つ。昨年8月14日は台風7号が近づき、暴風警報が発令される中で開催。観客は大半が不在で、踊り手はずぶぬれになった。富裕層の訪日客を狙い、民間企業の提案で開設したプレミアム桟敷席は建築基準法違反が事後に判明し、全額返金された。 阿波おどりは事業の累積赤字も問題だった。主催は長年、市観光協会と徳島新聞社で、2016年度末時点の借入金残高は4億3千万円超。