賄賂を受け取った罪に問われ有罪判決が確定した岐阜県美濃加茂市の藤井浩人市長が求めている裁判のやり直しについて、名古屋高裁は、改めて認めない決定をしました。 美濃加茂市の藤井市長は市議会議員だった2013年、市内の中学校に浄水装置を設置する便宜を図った見返りに現金30万円を受け取ったとされ、一審の名古屋地裁は無罪判決を言い渡しましたが、二審の名古屋高裁は懲役1年6か月・執行猶予3年の逆転有罪判決を言い渡し、その後判決が確定していました。 裁判では、贈賄側の業者の知人男性の証言が重要な証拠と判断されていましたが、その後男性は弁護側の聞き取りに「検事の話に基づき証言をしていて、記憶に基づくものではない」などと証言を否定したとして、おととし裁判のやり直しを求めていました。 今年2月、名古屋高裁は「新証拠を加えて検討しても、証言に信用性を認めた確定判決の事実認定に合理的疑いが生じる余地はない」などとして再審を認めない決定をしました。 この決定を受けて藤井市長は、再審の開始を求めて異議申し立てを行い、名古屋高裁の別の部が審理していましたが、今月25日に名古屋高裁は、「新証拠について、いずれも無罪を言い渡すべき明らかな証拠に該当しないものと判断した」として、改めて再審の開始を認めない決定をしました。 決定を受けて、藤井市長は、「非常に残念な結果となり、再審制度の難しさを痛感しています。今後、新たな新証拠を見つけ次第、第二次再審請求を行いたいと考えています」などとコメントしています。