天伯峡でホタル舞い始める 2008年以降最多の昨年と同時期 【長野県高森町】
長野県高森町山吹のホタルの名所「天伯峡」で3日、ホタルの今季初飛翔が確認された。同所の環境整備に取り組む「天伯峡ほたる管理委員会」(橋都洋治会長)の役員らが1日から始めた観察で5匹を確認。昨年も3日に初飛翔を確認しており、橋都会長は「今年も例年通りの時期に出てきてくれた」と、順調な滑り出しを喜んだ。 同委によると、昨年は6月13~30日の18日間で約2400匹を確認。記録が残る2008年以降では最多だった。 19年には880匹ほどにまで減少していたが、以降は回復傾向にある。今年も昨年と同時期に初飛翔を確認できたことから、6月中旬~下旬と見込むピーク時には、ホタルの乱舞が見られると期待している。 1日には天伯峡を流れる寺沢川に沿って、観察者の足元を照らす竹あんどんを設置。あんどんには高森北小の4年生が描いた絵などが使われた。児童たちは、3月に同委とともに幼虫を放流するなど、ホタルが生息する天伯峡の環境維持にも携わっている。 橋都さんは「月明かり以外の光が届かない山あいに、100匹以上のホタルが舞う田舎の原風景を多くの人に楽しんでほしい。実際に来て、見てもらうことで、素晴らしい風景を一緒に守っていく仲間が増えていけばうれしい」と話した。 同委によると、昨年のピークは17~24日で、連日のように200匹以上のホタルを確認できた。気温20度以上で風のない蒸し暑い夜、午後8時~8時半ごろが観察には最適という。また、観察時の注意として「ホタルを捕まえない」「懐中電灯やスマホなどの強い光を向けない」を呼び掛けている。