「仕方ないかな」髙橋尚成氏が今永昇太のメジャー初黒星を分析 自身にも相手にも要因が
◆米大リーグ ブルワーズ10―6カブス(29日、米ウィスコンシン州ミルウォーキー=アメリカンファミリーフィールド) 9試合で合計7失点だった今永が、ワーストの8安打を浴びて5回途中降板で7失点。でも、仕方ないかなという印象だった。 前回登板が雨で流れたがスライドせず、中10日でのマウンド。立ち上がりから体にキレがない。本来はゆったりしたフォームから、はじけるようなリリースが特徴なのに、それが全く見られず、重い感じに映った。自分にも経験があるが、調子のいい時に間隔が空いてしまうと思ったように体が動かないものだ。 また、腕は縦振りでこそシュート成分が出て、スピンの利いたホップするような球が行くのだが、肘が下がり、横振りになっていた。引っかくような投げ方でスライド気味の球が多かった。これでは回転数が少なくなり、空振りが取れない。 相手打線も、研究していた。スプリットを振らないように目線を上げ、高めに来るフォーシームに打ち負けないようにと、ミーティングがあったのだろう。初回先頭打者の二塁打も、3番の先制2ランも高めの真っすぐ。ストライクゾーンを9分割して、下の3マスを捨てる。そうすることで高めが明確に見える。その研究成果を見せられてしまったということだ。(野球評論家・髙橋 尚成)
報知新聞社